ぎゅっぎゅっして!ゆっくりがんばる成長日記

子どもの発達や成長について気付いたこと、感じたことを。 忘れないための備忘録的なブログです。

遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編5 感覚遊び(2歳4ヶ月~)

2歳2ヶ月でようやく滑り台を滑れる様になった息子でしたが、それ以外の遊具へは中々発展していかない様子を前回お伝えしたかと思います。

足腰や手の力はそれなりに強くなってきているのに、どうもそれらを上手く使いこなせていない息子。何とかしてやりたいなぁ・・・とは思いつつ、いったいどうすれば良いのやら全く検討がつきませんでした。

そんな時、ふと1歳半の頃に良く息子がしていた常動行動というのでしょうか?ロッキングの様な行動を思い出しました。

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うちの子の場合ですが常道行動は

・落ち着きたい時

・感覚そのものを楽しみたい時

・他に何もすることがなくて手持無沙汰な時

なんかに出やすい様子でしたが、普段は危なくなければ「おかしいからやめなさい」などとあまり咎めたりはしませんでした。止める程の事でもないかな?とも思えましたし、こういう揺れが好きな事には間違いないだろうなぁと感じたからです。

 

滑り台の練習方法を考えている際にこういったゆらゆら遊びを思い出しまして、こういった感覚を楽しむ遊びを通じて平衡感覚を養いながらバランスをとる力をつけていけないかな?と思い、色々調べてみる事にしました。

 

 

~ふわっとした感覚を楽しむ遊び~

◎バスケットのゆらゆら(2歳2ヶ月頃~)

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当時はまだ体も小さかったので洗濯用のバスケットにちょこんと入る事もよくありました。

試しにこれを少し揺らすと大喜び。あまり大きく揺らすと倒れてしまうので、少しづつ揺らしてはうまくバランスをとらせて遊ぶ様にしてみました。

時折子どもを中にのせたまま持ち手を取って持ち上げ、ゆっくり空中ブランコの様にゆらゆらさせたりしました。

私の事を信じられなければ、持ち上げられた息子は『いつ落とされるか』と不安になると思いますが、この時は安心して身を委ねてくれていました。

 

この運動では激しく大きく揺らすのではなく、ふんわりとした感覚を少し体験させる程度を想定して遊びました。

 

 

◎板材で一本橋(2歳2ヶ月頃~)

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(当時の様子を再現しようとしたのですが、使っていたプラスチックのブロックが無く代わりに箱を置いています。)

プラスチックブロックを片側にだけ置き、坂道にして上り下り。こうした板材はブロックなどにのせなくてもカーペット等の上に板を置くだけでも少しふわふわした感覚を得られる為、バランス遊びや感覚遊びとして取り入れてみました。

 

これが意外と長く続いた遊びで、『ライン上を歩きたい』要求や『ふわふわした感覚』を同時に満たしてくれるのが良かったのかな?と思います。

当時はお風呂前に置いていましたので、「お風呂に行こう」と声掛けしても気持ちが切り替わらない時は「一本橋しに行こう!」と声掛けして次の行動へ促す為にも使いました。

(なかなか気持ちを切り替えにくい場合や、次の行動へ進まない時なんかは今よりも楽しい様な次の予定を準備してあげると切り替えやすい様です。)

 

今では公園の飛び石や板で出来た橋等への遊びに転じていますので、家でこの遊びをする事はなくなりました。

 

 

◎毛布でハンモック(2歳5ヶ月頃~)

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これは大人二人必要です。確か臨床心理士の方に教えて頂いた方法なので、感覚遊びとしては有名な方法なのかもしれません。

当時の体重でギリギリ可能(笑)だったこの遊びも、大きくなった今は公園のアスレチックやハンモック等で同じ様な感覚を楽しむ様になっています。

 

 

◎ベッドへダイブ(2歳6ヶ月頃~)

※これは結構危険かも。。。家で遊ぶ際は十分安全に配慮した上で周囲等にぶつかる物がない状況でやっていました。あまりおすすめ出来ない遊びですが、『こんな事もしていました』という履歴として残させて下さいね。

 

ベッドって、飛び跳ねたり遊んだりしてはいけないと私は親にはしつけられてきました。

でも家庭用トランポリンといっても小さい物ならあるかもしれませんが、体を受け止めてくれるサイズの物も見当たらなくて、ベッドを使いました。

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上記の様な遊びを楽しいままに続けていましたら、徐々に私と息を合わせる様なそぶりを見せる様になりました。

それ以降は私の掛け声を合図に一緒にスタートする訓練も取り入れてみました。

「3・2・1」にうまくあわせられる様になり、これを契機に遊びの中に少しづつルールを取り入れていくという考えが息子の中に概念として取り込まれていった様に思います。

 

”ルールに従って遊ぶ”という件ですが、少し成長して4歳を過ぎた頃でもまだ口頭の説明だけでは複雑なルールを理解する事は難しかったです。が、自分以外の人間(=今回は母親)が決めたルールに則って遊びを行う事はすごく重要な意味がある様に思います。(また逆に、自分からルールを提案していくという行動も大切ですので、そういった点も注視して見守っています。)

 

 

 

まだまだ色々ありますが、こういった感覚に訴求する様な遊びを少しづつ増やしていく事で感覚を刺激する効果もあったと思いますし、私との関係も良好になっていった(と私が勝手に感じていただけかもしれませんが)のでした(笑)

 

※今回ご紹介した遊びには、本当に少し間違うと危険な物もございます。息子が私の話を理解していく度合いによって加減していった内容でもありますので、ご家庭でなさる時は(こんなハードな遊びはあんまりされない方の方が多い事を祈りつつ・・・)是非十分ご配慮なさった上でお子様達とスキンシップをはかって下さいませ<(_ _)>

 

 

 

[追記]

今回gif多めですみません(^_^;)

「うまく動かないゾ!」とか、

「詳細な動きがわからなくてどんな遊びなのかもっと説明してよー!」

というご意見などございましたらどうぞコメント欄までお寄せ下さいませ<(_ _)>

遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編4 バランスや体の使い方について(2歳4ヶ月~)

体を使った室内遊びをお話しする前に、まずはそう考えるに至った出来事である2歳2ヶ月当時の公園遊びのお話しからさせて下さい。 

 

~2歳を過ぎてやっと滑り台~

2歳以前の息子は公園へ行っても遊具に見向きもしなかった、というエピソードを下記の過去記事の多動の欄にて少し触れさせて頂いたかと思います。

let-me-pick-you-up.hatenablog.com

 

この頃の息子は夏男でしたが、当時は冬。冬は真逆に体が凍りつき動かなくなるという極端な反応を見せておりました(^^;)

だから冬場は無理に外遊びはせず、2歳を過ぎた頃に迎えた春頃からまた公園遊びをと考えておりました。

これは春先に公園遊びを再開して間もない頃の事です。

 

公園で遊び始めて数日、月齢の近い近所のお友達と一緒になる事も増え、子ども同士も刺激し合う様になりました。

そんな中、活発な子達がお母さんの補助なしで滑り台をしていたのを見て、息子も恐る恐る滑り台に挑戦する様になりました。

それまでは私や夫が一緒に滑っても嫌がっていたのに、お友達パワーによって挑戦する気持ちになった様で、2歳2ヶ月にしてやっと一人で滑れる様になりました。

 

ただ、滑る瞬間は本当に楽しそうなのですが、階段の登り方がぎこちなかったり一歩が弱々しかったり。見ていても本当に危なっかしくて、これは何か手を打たないといけないな・・・とすぐに思いました。

 

 

 

~自宅の階段は平気なのに・・・~

家の階段は大好きで、こちらが促さなくても上り下りして遊んでいる子でした。なのに滑り台の階段は全く苦手な様子・・・。まさかこんな問題を抱えているとは思いもしませんでした。

 

苦手な理由を考えてみると、

階段の角度や幅の問題もあったでしょうし、

滑り台の階段は登るにつれ(地面が見えている為)不安が強く出てしまうのかもしれません。

 

慣れが一番かな?と思い色々な公園の滑り台を試したり、誰もいない時間帯に滑り台の練習をさせてみたりしていたのですが、取り組んだ割にあまり上達していかない様子にピンときました。

これは滑り台だけの問題ではないなぁ・・・と。

 

う~ん・・・だからと言って、じゃあどういう事を取り組んでいけば良いのだろうか?と当時は随分悩みました。

 

色々な検討をしてみましたが、子どもを良く観察してみると腕力や脚力自体は結構しっかりとしている様子でした。

 

あぁ、力はそれなりにあるんだなとわかりましたので、

ボディイメージや手足(指先までも)を意識しながら体を動かす事を息子自身に理解させていけば他の遊具へも発展していくんじゃないかしら?

それがゆくゆくは日常生活の中のぎこちなさへの改善に繋がるのでは?』

と考えました。

 

 

だから思い切って次の様な目標を立てて対応をしてみようと考えました。

<動作をスムーズに行うための目標>

・体の各部位へ力を伝える事*1
・回転や速度を不安よりも楽しい事と認識出来る様になる
・足元などを見ないでも動ける様に(足の動きを想像しながら)スムーズに動く

 

滑り台が苦手だからといって滑り台ばかりやるのではなく、小さな個別の課題を乗り越えていく事で総合力を高めていこうと考えたのです。

 

特に後ろに誰かが待っているとパニックになりがちなタイプ*2でしたので、余計に手足の動きに混乱が生じてしまうのでしょう。そういう状況でも落ち着いて自分の手足を『脳で自在にコントロールしていく能力』を目指す事にしました。

(『脳で自在にコントロールしていく能力』と書いたのは、どうやら息子は手足を動かす時に自分の脳に言い聞かせる様な節があったからです。それは後々公園遊びでわかった事でした。)

 

という事で、家庭で取り入れられる運動機能を育む取り組みを始める事にしました。

次回以降詳細をお話し出来ればと思います。

 

 

*1:結論から申しますと、腕に関しては肘の関節まで力を伝えていく事は4~5歳代、手首~指先まで力を伝える事は6歳を過ぎてからの獲得になりました。手先の不器用さというのは当初考えていたよりも息子にとっては難しい動きだった様で、獲得がかなり遅れた印象です。6歳現在、今度は指先まで伝わった力を意図的に抜いていく方法を書道やピアノを通じて目指そうと考えています。

*2:振り返りながら気付いたのですが、これも2つの事を同時に行うのが苦手な特性と少し関わるかもしれません。”誰かが待っている場合の対応(「ちょっと待ってね」などと声をかける)”と”階段上りなどの本来果たすべき運動”の二つの処理をしなくてはいけない場合、うまく処理出来なくて慌てるのだろうと思います。こうした事もたくさん経験を重ねて慣れていく事や動作が安定してくればある程度落ち着いてきました。

遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編3 指先を使う(3)(2歳4ヶ月~)

~難易度にこだわった理由~

さて、2歳頃~始められる手先遊びの【少し難しい編】です。

 

↓でご紹介する中には4~5歳になっても遊び続けられたものも多くあります。

そうした遊びはずっと同じ遊び方をし続けた訳ではなく、成長につれ想像力や語彙力が上がり遊び方もどんどん進化していきました。

そうなってくると一緒に遊んでいても楽しいなと感じる事も増えていきました。

 

こうして振り返り記事を描いていますと、2歳当時はまだ本当にたどたどしい指使いでした。今はあの頃に比べれば随分とマシになったなぁとしみじみ思います。(といっても、まわりのお子さんと比べると凹んじゃいますので(T_T)比べる時はあくまでも過去の息子と比べる様にしています。)

 

手先が器用になり(微細運動)、全身の動かし方(粗大運動)も上手になってくると

「ママ、ボク出来ないよ!」という訴えが

「ボクやってみる!」に変わっていきました。

 

今でも要求の多い手がかかるタイプには変わりありませんが、息子が自分でやってみようとする様子がうかがえるとやっぱり嬉しかったりします。

 

それにただ嬉しいだけじゃありません。

それが自分が思い描いた様に『出来た』時

”ボクだってやれば出来る!”

という成功体験に繋がり、その積み重ねが有能感*1を育み、それが最終的には自己肯定感にもつながっていくのかなと息子の成長を通じて感じてきました。

 

自己肯定感を育むには、誰かに愛されているとか誰かに必要とされているといった感覚だけでなく、自分が今ここにいる理由だとか自分が生まれてきた理由(消極的な言い方ですがボクがここにいて良い理由とも言い換えられるかもしれません)、そして自分がこれから成すべき道をぼんやりながらも見据えていく様な事も大事なのかなと感じるのです。

 

だから、最初から難易度の高い事を繰り返し行うのではなく、その子その子に合った目標をスモールステップでいいので成功や時には失敗とそれに対する工夫(失敗しても工夫すれば出来る事もあると経験する事)などを積み重ねながら難易度を徐々に上げて進めていくのがいいんじゃないかな?と私は思って取り組んで参りました。

 

難易度別にご紹介したのはこういった意図があったからだったのでした。

ひゃ~、長々とすみません(>_<)

それでは本題へ参ります。

 

 

【少し難しい編】

◎マグネット遊び

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こちらは車やバイクなどがマグネットになっていてシートに貼り付けて遊ぶおもちゃです。

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開くとこんな風にマグネットのシートと街のイラストが描かれたベースのシートがあり車などをシートから外して貼り付けられる様になっています。

見立てがまだ進まなかった頃はマグネットを元通りにシートへ片付ける型はめパズルとして遊んでいました。(これが車種によっては形が似ているので結構難しいのです(笑))

街のイラストで色々な想像が出来る様になってきてからは、「よ~し、ママはバイクに乗ってくじらを見に行こう!」とか「じゃあ、ボクはバスに乗ってようちえんに行くね!」なんて遊んでいます。

 

 

◎アルファベットの型はめパズル

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これは2歳9ヶ月の時にクリスマスプレゼントとして購入しました。

数字や文字が好きだったのと、プレでも同じ様なパズルで集中して遊んでいるとプレの先生から教えていただいたので買ってみました。

はい、本当に良く遊んでいました。アルファベットのチョコレートを食べる時に同じアルファベットのピースを持ってきたり、上下反転させても同じピース(NとかOとかX等)だけ集めたり、「Aから始まる物は何かな?」と問題を出してりんごのおもちゃを持ってきたり。

シンプルだからこそ色々な遊びに展開しやすいおもちゃです。

 

 

◎海のいきものジグソーパズル

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・・・これは4~5歳になっても難しかったです(笑)

それでも当時大好きだった魚のイラストがたくさん描かれていたので、よく手に取ってバラバラに崩しては大泣きしていました(笑)

イラストで配置は覚えられても、四角いピースではないので両手をうまく使ってはめ込んでいかないと・・・という難しさがありました。

 

好きだったから眺めているだけでもまぁいいっか(^^;)

 

 

 

 マリンバスにご乗車くださ~い

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右上の白い矢印部分が乗車口で、開閉出来る様になっています。

当時はマンタが運転手さんで、イルカやペンギンやタコ、タツノオトシゴをお客さんに見立ててフィギュアをどんどん突っ込み、指で少しづつ動かしながらイスに座らせていました。

 

ブロックや粘土でバス停をつくってやると、お客さんを待たせたり降ろしたりと遊びの幅が増えやすいのも良い点でした。

 

見立て遊びの要素と、狭い乗車口からの乗り降りが意外と難しいので難易度高めにしております。

 

という訳で、当時の手先を使う遊びとしては以上です。

もう少し大きくなっていきますと、もう少し実用的な日常生活の中で指先を使う練習を取り込んで行く様になるのですが、またその頃に詳細を書かせて下さいね。

 

では次回は室内で体を使う遊びのお話し等をさせていただけましたら、と思います。

 

 

 

 

 

*1:何も知らなかった頃は有能感って、「オレは何でも出来るんだゼ~( ̄▽ ̄)」みたいな言葉なのかな?なんて勝手に考えていたのですが、どうやらそうではないのですが、うまく自分の言葉で説明出来ないので「運動有能感の構造とその発達及び性 差に関する研究」(岡沢祥訓、北真佐美、諏訪祐一郎/著 『スポーツ教育学研究』1996.Vol.16,No.2, pp.145-155)を引用をさせていただきます。

この論文は子ども達に”運動に対する関心・意欲・態度を高める”にはどの様な学習方法が良いのかを明らかにする目的で書かれた様なのですが、”(運動への意欲などは)内発的に動機づける過程を経て達成できる”と書かれています。

更に

” Deci1)は,内発的動機づけを「有能さと自己決定」から解釈している。すなわち,人間は 「有能さと自己決定」を感知したいという欲求に動機づけられて行動するものであり,それを内発的に動機づけられた行動であると主張している。また,White17)は有能さと同様の意味で,「有能感」を「有機体が,その環境と効果的に相互作用する能力」と定義して いる。すなわち, 有能感とは予測不能な状況や環境の中で, 自信を持って積極的に対処 していくことのできる能力のことである。”(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjses1982/16/2/16_2_145/_pdf P.146 「Ⅰ.緒言」より)

と。

 

う~ん・・・正直専門外なので難しいデス。

DeciさんやWhiteさんの説を受けて、という内容の様ですが何とか理解しようとかなり意訳すれば、つまり

『自分は出来ないを出来るに変えたいからやるんだ』って気持ちが人間の行動の動機で、「有能感」っていうのは『自分の働きかけで今置かれた環境や状況を変えたり影響を与える事が出来る能力』という事でしょうか?

 

間違っていたらごめんなさい(^^;)ヒィィ・・・

でもこうして拝見すると有能感や自己肯定感ってなにも運動だけに限りませんよね。成長の過程で随所にみられる事なんだと思うんです。だからこの文献を参考にさせていただきました。

 

私自身は故あって自己肯定感は非常に低い状態で、でも何でも自分で何とか出来る様にと育てられました。

だから経験からではないのですが、直感で有能感は子どもの心の成長にとても大切なのだろうと思って参りましたので一度整理してみたくってちょっと備忘録的な事を書かせていただきました。悪しからずご了承下さい<(_ _)>

 

 

遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編3 指先を使う(2)(2歳4ヶ月~)

さて、前回に続き指先を使う遊びです。

指先を使う遊びというのは、実は導入してもすぐに効果が出るというタイプの訓練ではありませんでした。(もし即効性を期待された方がいらっしゃいましたら申し訳ございません(/_;))

ただ、息子と楽しく遊べて本当に嬉しかったという気持ちは今でもよく覚えています。

 

それに以前の記事の追記欄で触れたのですが、

let-me-pick-you-up.hatenablog.com

息子がスプーンの自立をしたのが丁度この頃だったのです。(2歳半目前・・・かなり遅いですね(^^;)アハハ・・・)

なので身辺介助への私の負担が大きく軽減され、こうした訓練などに前向きに取り組めるようになりましたし、息子も遊び以外を通じてのみならず日常生活の中でスプーンを使うたびにいつでも手先の訓練をしている様な感じでゆっくりながらも徐々に伸びていく様子に、

『療育っていつでもどこでも意識一つで取り組めるものなんだなぁ。』

なんて改めて感じたものでした。 


 

長くなりましたが、それでは本題の指先を使う遊びの続きです。

 

【まあまあ簡単編】

◎積み木はめ

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これは・・・正直あまり遊ばなかったのです。

幼い頃から形の違いに気付いていた様でしたので、好きなのかな?と思って1歳の誕生日に買っておいたのですが、1歳半頃には遊ばなくなっていました。

 

ただ、その後も何度か本来の遊び方とは違う遊び方をしていた事があったので、その中で一つだけ気付いた事がありました。

『落としたい要求』があるという事です。これは排水溝への石落としという困り事にも通じるなぁと思っていました。

(後々こうした気付きが石落としの解決へのヒントとなりました。)

 

 ◎手作りポスト

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これは2歳8ヶ月頃に当時通っていたプレで空のお菓子箱を利用して作った物でした。

当時はこれとミニカーの郵便車で『郵便屋さんごっこ』をして遊んでいました。ポストの投函口が程よく狭く、中に封筒を投函したり取り出す遊びで手先を工夫して動かそうとするのが良かった様に思います。

穴が意外と狭めなので簡単に作れる割に難易度が高めです。(ついでに目もかなり使いますので手と目の協調運動にもってこい、かも?)

 

◎ビー玉落とし

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100円のお店で数枚の板材を買ってきてボンドで止めただけの簡単なものですが、これが結構遊べました(笑)

ただし配置する角度によってはビー玉が速く落下するのでなかなかうまく行かないと泣いてしまう事も・・・(^_^;)

 

 

◎もぐもぐごっこ

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先日の記事でカード遊びのご紹介をさせていただきましたが、その中でカードがない場合でご紹介した事なのですが、お片付けを指示した絵を見た息子が片付けを遊びに変えてしまったというエピソードでした。

 

そのお話しを少し詳しく書き残させて下さいね。

 

ウチは男の子なんですがままごとグッズが好きな子でしたので、折を見てはままごと用の野菜を少しづつ買い足していたんです。それがいつの間にか増えすぎて、当時ちょうど手持ちのバスケットに入りきらなくなった頃でした。そこで思いつきでカエルのゴミ箱にあふれた野菜を入れる様に指示してみたのです。

そうすると息子は

「ごはん!」と言いながらトマトやきゅうりをカエルに食べさせてあげるという遊びを始めてしまったのです(笑)

私もそのまま子どもの遊びに乗っかって

「ありがとう!美味しい、もっとちょうだい!」などとカエルの言葉を代弁してやるとますます喜んでいくつもいくつも食べさせようとする訳です。

すると案の定すぐさまカエルのお腹は一杯になる訳ですが、

「おなかいっぱい!ちょっと待っててネ。」といってカエルがトイレに行くふりをし、中身を空っぽにしては

「またお腹減っちゃった、ごはんちょうだい!」と続けて遊んでいました。

 

「パク!」とか「もぐもぐ」といった擬態語を使うといつまでも大爆笑していました(笑)音が想像を補ってくれたのでしょうね。

よっぽど大好きな遊びだったみたいで、以降数年はこの遊びをよくやりました。(よくも悪くもエンドレスループに陥る遊びですので、時間に余裕のある時にじっくり付き合う覚悟で遊んでいました。)

 

手先のスキルとしては簡単なのですが、やり取りの要素が加わるので難易度としては少し高めかな?と思います。

見立ての力もつくし、お世話をする気持ちや他者の立場になって考えてみたりと、色々な力を育んでくれる遊びと言えそうです。

 

◎キューブパズル

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これは船・バス・ショベルカー・はしご車・新幹線・ロケットの6種類に組み替えられる組み立てパズルです。特にロケットなんかは6つを積み上げるのでうまくバランスを保つ必要があります。

3歳の誕生日プレゼントに夫が買った物で、この頃にはこれが出来るスキルが備わっていた為簡単に出来てしまいましたが楽しく遊んでいた様です。

 

◎キャップ落とし

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2歳8ヶ月頃から色々な児童館へ出かける様になりました。

そんな中、ある児童館にこういった手作りおもちゃを置いて下さっているところがあったので私も帰宅してすぐに家で作ってみました。

 

これは・・・

・・・予想以上にすごいおもちゃでした、これを考えた人はスゴイ!と思います。

実はこれが(うちの子の場合ですが)排水溝への石落としをしなくなった一つの要素になりました。(排水溝への石落としの詳細はまた別記させて下さい。)

ペットボトルのキャップ2つをビニールテープで止めて、パスタ容器に落とすだけの簡単な物です。

ビニールテープの巻き数で厚みを少し変えられるので、息子の何かを落としたい要求を満たしてくれた様です。

 

 

 

長くなりましたので、最後の【少し難しい編】は次回に書かせて下さいませ。

遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編3 指先を使う(1)(2歳4ヶ月~)

さて、これまでの一連の遊びを通じて息子の手先に不器用さがある事に気付いた私でしたが、

『はて、でも不器用すぎるってどういう状態だろう?他にも息子と同じような事で困っている方っているのかしら??』

等と思い当たりました。

 

早速ネットで『不器用 障害』という検索ワードで調べると・・・ありました(^^;)

協調運動障害(発達性協調運動障害)というのだそうです。。。この時初めて知りました。

 

 

ウィキペディアさんの当該ページ(発達性協調運動障害 - Wikipedia)を拝見すると、

”協調的運動がぎこちない、あるいは全身運動(粗大運動)や微細運動(手先の操作)がとても不器用な障害”とあり、具体的には

・ボールが片手で投げられない(→コレはまさにその通り。サッカーの様に蹴る方がマシみたいです。)

・自転車に乗れない(→そうそう、三輪車もぎこちなかったくらいです。結局自転車は猛特訓を重ねて何とか平坦な道なら乗れます。)

・ボタンを掛ける事ができない(→特に首に一番近い部分は難しい様子です。)

・靴の左右を度々間違える(→2歳代までは確かにそうでしたネ(^^;)柄やイラストでわかりやすい様に工夫してある靴で左右が違う事に気付いた様です。)

・箸を使えない(→スプーンの自立が遅かったので、何とか自立させてやりたい一心でじっくりと時間をかけて取り組んでいきました。)

 

と、この様に思い当たる事だらけでした(笑)

といっても私は医師ではありませんので、ほとんど全部当てはまるからといって勝手に診断を下す訳にはいきません。

『発達性協調運動障害というものがあるんだ』と常々意識しておいて、生活の中で改善を試みる様に働きかけていこうと思った次第です。

 

 

~手先を使った遊び 難易度別~

Wikipediaにもありましたが、協調運動には全身運動と手先の操作の2種類があるそうです。

ですからその双方を意識した取り組み を始めようと思ったのですが、全身運動は当時夏でしたのでプールや普段の公園遊びを通じて粗大運動的な事を取り入れていこうと思いました。

 

一方、今回の目標は特に手先の操作の方でした。

かといって、本人は口を開けば

「プール!お外!」

当時は室内で大人しく遊んでくれる・・・タイプではなかったので*1どうしようかと少し考えたのですが、いくらプール三昧といってもいつも外で遊んでいる訳ではありませんよね。

そうなんです、うちの子は雨の日や帰宅後なら納得して室内遊びに取り組んでくれる事に思い当たりました。

という訳でどんな室内遊びを組み込んでいこうかしら?と考えてみました。

 

そこで真っ先に思いついたのは

”積み木遊び”でした。

 

よく『小さい頃に積み木遊びが上手なお子さんは大きくなっても賢い方が多い』なんてお聞きする事もありますし、積み木なら手先も使うし見立て遊びにもなるから丁度イイと思って早速導入したんです。

が、・・・・・・||||||(-ω-;)||||||…全く息子の心に響きませんでした(笑)

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手先も不器用ですが、それ以上に当時は見立ての力が弱いので

『これ何?全然面白くない』

とでも言うかの如く無反応でした。

 

積み木って、たぶんお母さんや周囲の方が上手に使い方を教えてあげられると楽しく遊べるようになる時期も早いかも。(そう、私自身が苦手なんです^_^;)

結局うちの息子が積み木で遊び始めたのは4歳で少しブロックで遊べるようになって以降の5歳頃で、それもYouTubeで積み木のロボを見て『ボクも作りたい!』と思ったのがきっかけみたいです。*2

 

やっぱり遊び方を教えるって大事な事なんですね。当時その事実に気付いていれば、もう少し遊び方のバリエーションが増えていたかもしれません(^^;)

 

という事で、こうした事を考慮して当時よく遊んだ遊びを下記に挙げてみます。

見立ての力があまり必要ではなく、”わかりやすい”+”少し手先を使う”という点で難易度別に並べてみます。

 

 

【簡単編】(2歳4ヶ月~)

◎カップ積み

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良くあるタイプのものです。これは1歳代から遊んでいました。大きさの順で積まないと積みあがらないのですが、以前は積み上げられていたのに徐々に出来なくなっていったおもちゃでした(笑)ですからお風呂に持ち込んで、おもちゃの魚を入れて金魚ばちタワーを作ってみたりコップに見立てて水を注ぐ遊び等に変えて遊んでいきました。

 

◎シール貼り

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乗り物系のシールです。(反射して見え辛くてすみません(T_T))最初は名前を覚える為に使っていましたが、探し物遊び(『消防車はどこだ?』といった様な遊び方)へ、その後シール貼り遊びへと発展していきました。

 

 

◎乗り物型はめパズル(柔らか素材)

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これは2枚一組で市販されていたものです。木型の型はめだときちんと合わせないとはまり難い事もありますが、ソフト素材なので少し無理矢理にはめても大丈夫です。失敗のない遊びとして、息子は大好きな乗り物のパズルをとても楽しんでいました。

 

◎ルーピングコースター

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これこそ失敗のないおもちゃとして有名なものかと思います。

子どもに関する色々な施設で導入されている事も多く、病院や児童館等なんかで手にする機会も多いのではないでしょうか?息子もいまだに病院などで見かけると遊ばせていただいております。

2歳半頃はただ手先を動かす要素と色の連結を楽しんでいた様ですが、そこから発展して4歳頃には『まって~ボクも一緒に行く~』とか『6両編成電車になりました~』等と形状や色に応じて電車や生き物に見立てて遊んだりする様になりました。息子にとっては簡単だけどずっと遊べるおもちゃです。

 

 

さて、少し長くなりますので、もう少し難易度を上げた遊びは次回にお話しさせて下さい。

 

*1:ちなみに小学生になった今は全然違います(^^;)暑い/寒い/しんどいがわかる様になったらしく、「おうちでゲームが一番好き」だそうです(;´Д`) 幼稚園の年長の頃にバタバタとした時期がありまして、その頃ゲームに子守をさせてしまったツケを今頃感じている今日この頃です。

*2:それでも結局あまり遊べない理由の一つとして、積み木が崩れた時の音が苦手という点がある様に思います。