遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編1 カード遊びと不器用さ(2歳4ヶ月~)
※夏休みで更新が滞っております<(_ _)>
という訳で久々のUPなのですが今回はかなり長文になり、写真も多めになります(^^;)分割しようかとも思ったのですが、カードを使った遊びについてひとまとめにご説明したいので長文で残させて頂きます。予めご了承いただけると幸いです。
~カード = 区切られた領域~
前回の記事で息子がパソコンの壁紙に興味を持った話をさせていただきました。そこから発展した遊びをご紹介させて下さい。
当時息子が普段遊んでいた部屋での遊びって、いつも同じでごくごく単調なものでした。
本人にとっては
『どこでどんな遊びをして良いのかよくわからないなぁ・・・?』
といった思いもあったのかもしれません。
ですから一人で遊ばせていたってあまり遊び方が発展しませんでした。
かといってこちらから遊びに誘ったとしても、(遊びの意図がわからなかったのだろうと思いますが)こちらの誘う遊びはあまりやりたがりませんでした。
本人がよく好んでする遊びといえばただただミニカーや電車のおもちゃを寝そべってはタイヤを覗き込みながら延々と手転がしするだけ・・・という事が非常に多かったです。
そんな中、写真にとても良く反応していた様子が見られましたので、息子が好きそうなカードをいくつか探して与えてみました。
カードの世界観って、小さな1枚の中で全てが完結しているのがわかりやすかったのかな?と思いますが、それ以来ソファーであろと床であろうと場所を問わず集中して遊ぶ様子がみられました。
カードって、余計な情報は見ないで済みますよね。そこにはバスならバスだけ、電車なら電車だけしか載せていない事が多いからです。
絵本等にも通じる事ですが、この空間の区切りが息子の理解を助けてくれたのだと思います。
こうした経験から息子にはカード等を使った遊びが有効なのでは?と気付き、実際に遊びに取り入れていきましたので下記に記録させて下さい。
~実際に取り組んだカード遊び~
(1)絵合わせカード
まずは市販の乗り物絵合わせカードです。
大好きな乗り物に関するカードだったので、無理矢理誘わなくてもすぐに飛びついてくれました。
手先に不器用さがあり2枚をうまく合わせる事が難しかったのですが、このカードを毎日触れていくうちに少しづつ上手に出来る様になっていきました。
又、裏表もバラバラにシャッフルしてしまうので探し物の要素も加わり、「ヒントはこの辺りだよ」といった私とのやり取りも自然に出てきました。
裏面に日本語と英語の両方の表記があったのも息子が興味を持つきっかけになった様でした。
(2)文字カード
こちらは手作りの五十音カードです。
当時カタカナを勝手に覚えてしまった頃で、ひらがな・カタカナが息子のマイブームでした。
『これもカード遊びに取り入れちゃえ』と、手書きで厚紙に。表面はひらがな、裏面はカタカナです。
これもシャッフルして並び替えたり、お気に入りの文字だけ集めたり、文字をつなげて”くるま”と単語を作ってみたり。
こうした遊びがきっかけで、この後文字をつなげて遊ぶ”単語遊び”へと発展していった様に思います。
文字カードをつなげていく事が
・文字→単語
・単語→文
こうした事を視覚的なイメージの助けになったのかしら?と思います。
(3)電車カード
こちらは本物の電車とそのおもちゃの電車、裏表に両方の写真や情報が書かれたカードでした。*1
遊び方としては、本物の写真を見て名前を当てたり、ディーゼルやパンタグラフといった特徴からどんな地域を走る電車なのかを考えたり、寝台特急や貨物列車の特徴を言い合いって遊んでいました。
残念ながらもうカード情報が随分前のものになってしまい、当時とは電車の名前が変わったり、廃止になったり、そして本人の興味の移り変わりなどもあり2年程前からあまり使わなくなってきました。でもこれはきっと大人になっても好きだと思いますので今でも大切に保管してあります。
(4)世界の名画かるた
これは私が好きで買っていたカードでしたが、気付けば息子が勝手に見つけ出して遊んでいました(笑)
名画の取り札と文字ばかりの読み札の2種類で1セット。最初は専ら大好きな絵ばかりを自分で集めて眺めているだけでしたが、5歳頃には読み札側も使って遊んでいました。
ちなみに息子が好きな絵はマネ、フェルメール、クレー等と今も当時とあまり変わっていない様です。
(5)魚探し・動物探し
今から思えば・・・まめに手作りしていたんだなぁ改めて思いますが(^^;)当時息子の興味にぴったりのカードというのも市販品ではなかなかみつからなくて、色々考えた結果が↓こちらの手作りボードでした。
※↑ごめんなさい、画像が漏れていた様なので後日再UPしました。
当時息子が大好きだったものといえば”魚”でした。
特にサメや深海魚が好きでしたね。
ですが当時は魚カードは探したのですが見つからなくて、結局こうした熱帯魚系のシールを手にしてみました。
『どうかな・・・?』と試しに厚紙に貼り付けて「モンガラカワハギみたいなお魚がいるね、どれかわかる?」と探し物ゲームらしき事をしてみると、息子もそれなりに楽しんでおりました。
これが後々探し物系の絵本を読み漁るきっかけになった様にも思いますが、情報が込み合う中で目当ての物を探す遊びが好きな様子がわかりました。
そして更にこの遊びで息子に関して良く分かった事がもう一つありました。
息子は・・・シール貼りがとんでもなく苦手だったのです(笑)
今でも思い出すと笑えてくるのですが、貼ろうとすると手先がプルプル震えてしまっていました(^^;)
それに見るポイントがどこかわからなかったのか、目線は自分の指先をとらえていませんでした。
『あー、、、そうか、、、この不器用さが色々な発達を阻害する一因なんだろうなぁ。』と薄っすらと理解したものでした。
~不器用さを何とかしないと・・・~
息子にとってシール貼りは不器用さと苦手な感覚(シールのベタベタ感)の2つの困難が伴う物でしたが、ベタベタは糊や砂に比べてまだ我慢出来る感覚らしく何とかこの場は頑張ってくれました。(結局幼稚園でかなりシール貼りをさせていただいたおかげで今では本人も楽しくシールを貼れる様になっています。)
しかし。。。
不器用さは何もシール貼りだけではなかったのです。
このカード遊びの取り組みの少し前、ちょうど2歳3ヶ月の頃にプレの先生方が熱心にご指導下さったおかげでようやくスプーンの自立が出来たのでしたが、それも今から思えばこの不器用さ故の遅れだったと思います。
私が努力して自立させる事が出来なかった事がショックだった事や、プレの先生方にお手間をとらせて申し訳ない気持ちが日に日に大きくなり、『よし、この際だから息子の不器用に正面から向き合おう』と心に決めたのでした。
そんな思いから改めて息子の不器用さを観察すると、ある2点に気付きました。
(1)手先の動きそのものに弱さがある
(2)目線の動きに弱さがある
こうした事から今後は、
『手先の微細運動や動かし方そのものの訓練』
&
『手と目の連動を意識した遊び』(→手と目の協調運動と言われる事が多いかと思います)
これらを意識して取り入れていこうと思いました。
※目の動きは、以前の記事(感覚過敏・鈍麻への試み 目・視覚 分析編)で書きました通り、対象物の輪郭を先に見てしまう事が大きく関連している様に思われました。ですのでこの後不器用さやコミュニケーション力の改善の為に輪郭→対象物の中央を見られる様に促していきたいな・・・と思う様になりました。
カードを用いた遊びについてのご紹介は以上です。次回はカードがない場合などに手書きのイラストを用いて遊んだ事などを記録させて下さい。
*1:息子がごくごく幼い頃、一番最初に大好きになった物が”乗り物”でした。
ですのでこうした情報を与えるとあっという間に丸暗記してしまう驚異の記憶力に驚かされたものでした。
それがいつしか
乗り物
↓
文字、数字
↓
魚
↓
天体
↓
恐竜
↓
動物
と徐々に生物の方へと興味が移ろいでいく様子を傍で見ているのもなかなか楽しいもので、子どもと一緒にいろんな事が学べて毎日刺激をもらっています。
ちなみにこの春以降に息子が興味を持ったのは何故か猿人や人類の進化の様子でした(笑)
中でも一番のお気に入りはアファール猿人だとかアウストラロピテクス・アファレンシスだそうです(^^;)