遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編2 カードがない場合(2歳4ヶ月~)
~カードがない場合~
前回の記事で息子とカード遊びの有効性と手先の不器用さに気付いた事をお話しさせていただきました。
そこで市販品に限らず『もっとピンポイントで教えてみてはどうかな?』と思い立ち、(絵を描くのは本当に苦手なんですけれど)画用紙にササっとイラスト的なものを描いて見せてみる事に。
最初は息子が考えていそうな事をその場でいくつか描くといったスタイルでした。
息子の脳内イメージを補助出来るといいなと思いつつ、当時興味のあった乗り物系のイラストを描いていました。
↑手持ちの乗り物カードにはなかった乗り物や、持っているけど特に好きな新幹線、あとは回転する部分があるものなんかを選んで描いていました。
↑数字が好きでしたのでとりあえず100までを網羅しておこうかと。あとは100単位で変化させてみたり1000や10000という数字を見せてみました。
こうした予測しやすい規則正しい変化は好きな様子でした。
↑以前発達検査を受けた際に、『何をする物でしょう?』といった質問が大好きだった様子がみられましたので類似問題を作ってみたんです。
この頃からクイズ問題が大好きな傾向があったのでしょうね。(最近ではTVのクイズ番組をかじりついて見ています。)
↑迷路風なイラストを描いてみると、指でなぞって遊んでいました。
ただ、この頃は通路は完全無視(笑)壁を突き抜けたりワープしたりと、マイルールで楽しんでいました。
(迷路を本格的に遊び始めたのは4歳前頃でしたので、まだ少し早かったかもしれませんネ。)
~魔法のツールの副作用~
そうしたイラスト遊びを通じて、私は絵の有効性に気付いてしまいました。。。
なので自然と↑この様に絵で指示をする事も増えてきました。
その頃は息子に会話で「お片付けしよう」と言っても全く通じなかったのですが、絵を見せるとピタっと遊ぶ手を止めて指示に従う様子があったのです。。。
当時の私、今となっては大変お恥ずかしい話なのですが
この自分にとって本当に楽で好都合なツールを多用しすぎました(^^;)
だって当時の感覚では
『一日が終わらない・・・』
『体がもたない・・・家事をする私がもう一人いれば・・・』
こんな事ばかり考えていましたので、全く言う事を聞かない息子がピタッと手を止めてくれる魔法のツールの副作用なんて何も考えずに多用し続けたんですね。
そうですね、結局幼稚園の年少さんまではイラストを使って指示を出していた様な記憶があります。
ただそれも4歳になる前には辞めてしまいました。
『反論の余地も与えない様なこんなツールの使い方はフェアじゃない、イラストの本当の使い方をしたい』と思ったからです。
それ以降はイラストはあくまでも私と息子の間で認識や予定・工程などを相互理解を深めるために描くようになりました。
それは『押し付けのイラストなんて楽しくないな』、と思える程に息子が成長したから、と言えるかもしれません。
そういった意味ではそれまでの成長を下支えしてくれたイラストによる指示という面もあながち悪い事ばかりではなかったのかもしれませんネ。
危険な事ややるべき事を的確に伝える上で、当時イラスト以上に即席で作れて効果があった手法はありませんでしたので。
ちなみに副作用とは、息子の場合ですが反論出来ずに溜まりに溜まった負の感情がその場ではなくてしばらく後に爆発する様な事でした。息子の癇癪の中にそうした感情を感じた事があったからです。
『もっと遊びたかったのに、どうして言う事ばかりきかなくちゃいけないの!?』と言葉で反論出来ないぶん、大癇癪を起こしていたのでしょう。
あーー、
コミュニケーションのはずなのに、
全然相互の意思疎通ではなかったのね。
私からの一方通行じゃダメね、ごめんね。
そう思ったからある程度の効果を認めた所で辞めたという経緯です。
~我が家で絵カードをあまり使わない理由~
上記の様な経緯もあり、実は我が家では絵カードはあまり使わないんです。
以前にあまりPECS(絵カードコミュニケーションの手法の一つ)などのお作法を全然理解しないままに自分の都合だけを考えて絵カードだけを導入した事があるのですが、一度に300枚程の概念や名詞や動作を示すカードを渡してみたら、一読して私に返却してきたんです。
さも『ありがとう!全部覚えたよ、楽しかった~』と、言葉では言い表しませんでしたがたくさんの知識を得られて嬉しかった様子でした。
だから「ま、いっか」と思っちゃいました。
楽しめたならいいかな、と。
もっと必要性を感じる様になった時に改めて正しい使い方を勉強してみよう、と思う様になりました。
そうして6歳を過ぎた頃、
小学校生活でもう少し言葉がスムーズに出ればと思い少し勉強して再導入しようかなと思ったのですが
「だって、みんなそんな事してないから使いたくない。」というのが息子なりの意思です。
ちょっと時すでに遅しな我が家の事情なのでした(^^;)
~遊びはあくまでも息子主導で~
話が未来に進み過ぎたので2歳半頃の話に戻しますが、
いくら息子の為になる、といっても本人がその気ではない時にこちらの遊びを無理強いしない様に気を付けました。
あくまでも遊びのネタを提供する程度の感覚でカードやイラストを見せ、乗り気ならカード遊び、そうでない場合は息子が遊んでいる中に少しづつ入っていく様にしていきました。
同じ空間に入れるだけでもOK、そのうち少しづつ
「何して遊んでるのかな?車、カッコいいね~」なんて共感していくだけでしたがそれが飽きると
『一緒に遊ぼう』とでも言う様に自分からカードを持ってきたりする様になり、少しづつ息子のペースで進めていきました。のんびりでも少しづつ息子が何かを吸収していくのを感じていたからです。
それにこんなエピソードもありました。
上記の指示を伝えるイラストの左下の部分の事です。
当時はカエルのゴミ箱をおままごと用の野菜や果物入れとして使っていたんです。
ですからままごと遊びの後に片付けの指示としてこのイラストを見せていたのですが、いつの間にかカエルの口にパクパクと入れる様子が楽しくなってしまい、いつの間にかそれ自体が遊びになってしまった事がありました。
「いつまでも片付かないでしょ!」と怒るよりも
「あはは、パクパクもぐもぐおいしそうネ。『もっとちょーだい』って言ってるョ。」と終わらない片付けを一緒に楽しむ方がずっと有益な楽しい時間。
いつかもっとやり取りを楽しめる日が来るだろうと子どもの成長を信じ、こうしたのんびりな時間を楽しむ様にしていました。