ぎゅっぎゅっして!ゆっくりがんばる成長日記

子どもの発達や成長について気付いたこと、感じたことを。 忘れないための備忘録的なブログです。

”ダメ”と”おしまい”(2歳~)

家庭療育のお話しなどをしていますが、今回は”ダメ”と”おしまい”という私にとってはキーワードになった言葉についてお話しさせて下さい。
2歳以降の事ですが、時期は前後するかもしれません。

 

~”ダメ” 自己肯定感を下げる言葉~

過去記事子どもの発達障害に気付くまで 26(生後1歳9か月~2歳) でも書きましたが、指示が通りにくい事が多かった2歳前後の頃、私は良く”ダメ”という語を使っていました。

 

そんなある日です、
「そんな事しちゃダメでしょ。」

と、いつも通りに”ダメ”という言葉を使いました。(これは育児でよくみられるごく普通の一般的な声掛けの言葉・・・とこの時までは信じていました。)

 

その直後でした。

ダメ!ダメ、ダメ、ダメ、ダメーーーーーー!

と激しく頭を振りながら息子が泣き叫びました。

 

尋常ではない息子の様子、これは非常事態なのだと思いました。

 

泣き止むまで抱きかかえて時間をかけながら落ち着かせましたが、一体何が起こったのか私には理解出来ませんでした。


特に声を荒げて”ダメ”と伝えた訳でもなく、(何が”ダメ”だったのか今となっては覚えていない程)他愛も無い事を指摘しただけだったのだと思います。

(怒って”ダメ”と言った訳ではないのです、そう、本当に何気なく言ったのです。)

 

 

~ダメを使わない方法を知る~

その日子どもを寝かせた後、必死にネットを検索しました。

そもそも

発達障害を持つ人には”ダメ”と言うのではなく、ではどうすれば良いのかを伝える方が良い」

とか
「反語は使わず、望ましい行動を短く指示する。」*1

という事を書かれているサイトが多くあり、そういった対応方法をこの時知りました。

 

・・・

様々な記事を何度も何度も読み、自分の不勉強さを本当に感じました。

 

『なるほど・・・駄目とは言わず、望ましい行動を提示する事ね。それから反語を反語として理解しない等色々な特性があるという事ね。
・・・そこは改善していかなくちゃいけないな』

と、率直に思いました。

 

 

~しかし今回の真相は・・・~

しかしどうも今回は反語も使っていませんでしたし、パニックに対してしっくりくる回答とは少し違うかなぁと思っていました。
探し続ける中、とあるページに回答がありました。
(すみません、典拠をはっきりご提示したいのですが当時拝見したページを探せませんでした。見つけ次第すぐに記載したいと思います。)

『ダメ』=『ボク自身がダメ


『ダメ』=『息子が行った行為に対しての指摘』として使ったはずが、何故か息子そのものを否定する言葉として受け取るという事でした。

この解説に納得しました。正しくそういう反応をしていたのです。

 

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”ダメ”という語で自己肯定感が低下する構図をイラストにしてみました。

 

・・・この一件から”ダメ”という言葉は出来るだけ使わないですむ様にまず過去記事で書きました通り怒らないですむ育児環境を整えたり、どうしても使わなければいけない時は英語の”No”に使いかえていきました。

 

4歳の頃にはうっかり”ダメ”を使ってもパニックを起こす事はなくなりましたが、今は家庭では”ダメ”という事をする事が殆どなくなりました。

 

それに今は自己肯定感がちゃんと育っている様に思います。

 

都度有能感や自己肯定感を高められる様にスモールステップで、小さな目標とその都度の達成感を自分で感じられる様な生活を心がけてきました。

少しづつしか積み上げられませんが、どうもその”少しづつ”が大切な様です(*^^*)

 

今回の件は先に歩まれてきた発達障がいの方やそのお母さん達、そういった教育に携わってこられた方々の知識や経験に本当に助けられたなぁと感じた一件でした。*2

 

 

 

 

~”おしまい”は要求の言葉だった~

そしてもう一つずっとわかり辛かった息子の言葉の一つに

「おしまいっ!」

がありました。

 

 

日本語への弱さにがある息子ですが、いつ頃からでしょう・・・息子は”おしまい”と連呼する事が増えた時期がありました。

 

特に多かったのが、発語も増えてきたこの2歳当時~2歳4ヶ月頃だったと思います。

 

例えば本の読み終わりで”おしまい”と言う事ももちろんありましたが、どうもその場に沿わない使い方も多くて、発達センターの臨床心理士の方に”おしまい”とはどういう意味を持つ言葉なのかお聞きした事もあります。

 

”不安”や”見通しが立たない”場合に使うのではないでしょうか?という回答だったと思いますが、結果的にそうだったのだと思う事がありました。

 

ずーーーーっと”おしまい”の真意がわからないまま3歳を過ぎ、”おしまい”を使う回数もどんどん減ってそんな事を忘れていた頃です。


4歳も間もなくという頃に
「”おしまい”にして。

と、語尾を付け加えてくれた事がありました。

 

そうだったのね・・・”おしまい”は”おしまい”にしてという要求文だったのね・・・(もちろんそうでない事もあったと思います。)

 

だから見通しを立てやすい様にスケジュールやこの後の予測を提示する様にしていった事で”おしまい”が減っていったんだなぁ・・・と合点。

 

 

息子は他人の模倣が苦手で、特に言語面では他人の使い方を真似て習得する方法ではなく、語彙そのものの意味を理解し、自分なりにアレンジを加えたり工夫をして使う特徴があります。

 

そういった特性がこの頃から出ていて、”おしまい”も自分なりに要求語として工夫して使っていたのでしょうね。

 

でももし当時、それがもっと早くにわかっていれば。
相変わらずの私の共感性のなさを痛感した事例でした(笑)

 

 

 

 

<追記>

過去記事の追記に『当時こうした勉強を進める中で佐々木正美先生のブログや著書の中から考えを学ぶ事が多かった』と記載していました。

先生の本を読み進めるうちにTEACCHに出会えた事は本当に大きな事でしたし、先生の子ども達に向けられた優しい眼差しに何度も救われる思いをした事を思い出します。

 

*1:当時はNPO法人 岡山県自閉症児を育てる会さんの自 閉 症 の し お りの『第2章 自閉症児の育て方』で書かれている事などを参考にさせていただきました。今でもよく拝読させていただいております。

*2:この頃に読んだ知恵袋サイトの

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

という質問に対するベストアンサーの方の考え方等が非常に参考になりました。『小さいから分からないだろう、はナンセンス。必ず、本人に許可を求める』こういった姿勢を自分も取り入れていこうと先輩お母さん達の言葉から学びました。