ぎゅっぎゅっして!ゆっくりがんばる成長日記

子どもの発達や成長について気付いたこと、感じたことを。 忘れないための備忘録的なブログです。

食事中にうろうろ・・・しなくなった頃(2歳6ヶ月)

当時は食事も大きな課題でした。

まず食事といいますか、食品そのものに興味が薄いので、料理内容で興味をひく事が難しかったです。
限界の空腹になってはじめてぎゃーーーと泣き、慌てて食べさせて落ち着かせるしかなかった頃もありました。

でも食事時に立ち歩く事は、やはりどうしても小さいうちに改善しておきたいな・・・という思いがありました。


家族みんなで囲む食事の楽しさが、息子の遊びの楽しさに負けているという事なのでしょうけれども、いつか楽しく食事が出来る日を想像しながら対応していきましたので経緯も含めてお話させて下さい。

 

 

 

~乳児期の離乳食頃~

まず、子どもの発達障害に気付くまで 3(生後4か月~9か月)でも書きましたが腰の座りが遅かったからか、食事の席につかせるのも一苦労、座らせてもすぐにイスから滑り落ちて座る事を嫌がった頃でした。

 

この頃は仕方なく私の膝に座らせて食べさせる事もしばしばでしたが、ゆでたかぼちゃやじゃがいもといった野菜を固形物のまま食べてくれていたし、フォーク等を使って口へ運んだりもしていたので、口腔内の過敏さや手先の不器用さには気付かなかった頃です。

 

それが次第に固形物を拒否し始めた1歳頃から、ウロウロ立ち歩く事もひどくなり、本格的な対応をしていく事となりました。

ウロウロする、と一口に言ってしまえば簡単ですが、どんな時にウロウロしているのかなぁ・・・と(料理意外の理由を)観察してみました。

 

<色んなシーンで立ち歩く理由>
(1)おむつが不快なのか座る事が苦手なのか、座る事そのものが嫌そう。*1
(2)不安な事(主に音)があった時確認しにいく様子が見られた。
(3)スプーンやフォークがうまく使えず、違うスプーン等を取りに行こうとする時。
(4)少しお腹がふくれて、ご飯に興味がなくなったのかな?という時。
(5)おもちゃ等、何か気になる物を見た時。
(6)誰かが立った時。

 

大きく分けると上記の様な原因かな?と思えてきました。ですからそれぞれに対応していこうと思った次第です。

 

 

~環境を整える~

当時はまだ発達障害についての知識は何もなく、ただ対処療法の様な対応方法でしたが、根底にあったのは”食事のあるべき姿”にしていこうという事でした。

①事前にトイレを済ませ、手拭や手洗いの習慣をつける。・・・上記(1)に対応
②食事イス(ベルトが付いていて固定できるもの)を使う。・・・(1)に対応
③食事時は夫には申し訳ないけれどTVは絶対に消す。・・・(2)に対応
④スプーンやフォーク、食器を本人が使い易そうな物に見直す。・・・(3)に対応
⑤1回分は少量で回数を増やし(おやつ・間食の導入)、一度にかかる時間を10分~15分程度の目安にする。(当初は息子が座っていられるだけの集中力がせいぜい5分程度だったので、少し長めに設定しました。)・・・(4)に対応
⑥比較的息子の視野が広いと思えたので、思い切って白い壁に向かって座らせてみる。・・・(5)に対応
⑦私も息子の食事中は立ち歩かない。(お茶やご飯のおかわりは事前にテーブルに用意しておく。)・・・(6)に対応

 

 

上記に挙げた理由ですが、①の事前準備は当然ですね(笑)

②座席の改善は、まだ幼かったので私の膝でも良いかなと思ったのですが、顔を見たかったのと私の目を見て欲しかった思いから、落ちない工夫がされているイスを探そうと思いました。

 

③TVや音の改善については同じ様な方も多いかと思いますが・・・うちの夫はTVが大好きです(笑)。TVを見ながら食事をするのが至福の時なのだろうなぁ・・・と思います。そんな夫からTVをとりあげるのは非常に心苦しかったし、消して上手くいくかはわかりませんでしたが、、、息子の為に数年は我慢して欲しいとお願いしました。

 

④食器や道具の見直しですが、これが意外と難しい条件でした。フォーク等はまだ手が小さく、握力が弱いのか、上手く握れるサイズ・重みのものがなかなか見つからなかったり、食器も”返し”というのでしょうか?ヘリを利用して掬い上げるのに最適のものが見つかりませんでした。
(うまく出来ない息子を変えるより、環境を変えた方が適応が早いというのはこういった事から気付いていった事でした。)

 

⑤食事量の見直しは”とりあえず10分”を目標に、座れたら褒め、座れなかったら半分の5分で改めてやってみようと思ったからです。*2

 

⑥視覚的刺激の改善ですが、集中力が途切れる原因は食事をする空間とリビングが明確に区切られていないからかな・・・?という予想でした。そうした空間でしたのでダイニングテーブルのすぐ近くに先程まで遊んでいたおもちゃが転がっているという事も当時は多々ありました(^^;
ですので食事を促し、テーブルに向かうと目線の先は壁になるので、その隙におもちゃをさっと片付け、絶対に視線に入らない様にしてみようと思いました。

 

⑦観察すると私が立った瞬間”つられ立ち”の様な行動をとる事が意外に多くて、これは一番改善しやすそうな事だったので是非やってみようとすぐ思いました。

 

 

 

 

~それぞれの結果は・・・~

③TVや音の改善

まず(夫には申し訳ないですが)③が一番効果的だったかもしれません(笑)


というのも視覚優位と同時にTVの音は息子には不快な音も多く、TVからの音で不安感を煽られウロチョロという事が無くなりました。(不安感だけでなく、気になる音声や視覚的要素ももちろん無くなるのです。)

 

①事前準備

②座席の改善

①、②はじわじわ効果が出たという感じですが、やって良かった事でした。
手洗いをする事で、見えない菌やウィルスを想像する事に繋がったり、手を洗う→食事をするという流れ付けが出来て気持ちも切り替え易くなってきたからです。

 

イスはベルト等もついていましたが、拘束は嫌がったので殆ど使いませんでした。その代わり、目を見て指示をする事を心がけたり、落ちないようにずーっと息子を見ていたりと、親が遣るべき事を再確認した様なものでしょうか。
結局市販の木の食事イスを用いたのですが、結果的には時間はかかったもののイスに座る訓練と座位を支えるための腰周りの筋肉が育つ事になったと思います。 

※腰回りの筋肉はアスレチックなどの公園遊びや体幹を鍛える遊びなどでも手軽に育むことが出来る様です。ですが逆にサボるとすぐに座れなくなる様で、5歳代にだいぶサボってしまったので今はまたぐにゃぐにゃに。改善に向けて日々体を鍛えなおしている所です。不断の努力って大切ですね(T_T)

 

 

④食器や道具の見直し

これらは出来れば早く改善したかった事ですが、導入が一番難しいと感じた事でした。

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結局約1年程かけて探した中で一番良かったのが写真真ん中のお節の重箱用の小分け皿というのでしょうか?
”返し”の高さもちょうど良く、漆器なので重すぎず軽すぎず、使った後の手入れも簡単で3歳後半まで使っていました。3歳10か月でスプーンをやっと↓の様にL字持ち出来る様になったのですが、その頃まで使っていました。

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これの代用が、右のカエルのお弁当箱で、好きなカエルで”返し”も十分という事でこちらも良く使っていました。
そしてお箸も同じカエルシリーズの物を長期間使っていました。(というのも輪のあるタイプは確かに持ち方が身につくのですが、お茶等の時に外しにくいので嫌がったからでした。)
フォークは比較的何でも使っていたのですが、スプーンはまず写真真ん中の大きめの物を多用していました。すくった物を口に入れる前に落としてしまう事が少なかったからです。(ここ半年程は黄色い新幹線の物を使っています。これは細身で持ちやすく、口に入れる部分もちょうど良いサイズの様です。)

こうして徐々にスキルが上がってきてから写真一番左のセットを使う様になってきました。

 

⑤食事量の見直し

⑤は、1~2ヶ月単位で5分ずづ伸びていった様な感じでしたが、一度に長く座る事よりも、短い目標設定で褒める回数を増やし、後は成長と共に筋肉がついてくる事を信じて取り組んでいました。最近でもせいぜい30分程度ですが、タイトルの通り2歳半頃で一応食事の最後まで座っていられる様になりました。

 

 

⑥視覚的刺激の改善

⑥は・・・やってみるとやっぱり予想通りだった、という感じです(笑)多分相当視野が広いです。音を立てずにおもちゃを片付けるのは至難の業でしたが、これでかなり集中力が途切れる事がなくなりました。ただ、食べている間に思い出したりもしますので、確実な訳ではないですが、大きくなってくると、”片付け→手洗い→食事”の様な流れ作りも出来ますので、気持ちを切り替える為にも導入して良かったなと思います。

 

⑦つられ立ち

⑦実はこれが一番私にとっては辛い事でした(笑)
「ちょっとお茶のおかわりを・・・」、「お箸落としたからさげるネ・・・」、「冷蔵庫の○○取ってきます・・・」といった事は全部封印するという事でしたから、息子の食事が終わるまで夫と私の事は後回し。それは良いのですが、息子のおかわり等も事前に準備しておかなければいけなかったので、良い私の訓練になりました。


こんな事を根気強く続けていくうちに、食事中の多動は改善されていきました。

 

ちなみに少し成長した4歳頃でもこうした手洗いやTVを消すといった事は継続していましたが、⑤の食事量のコントロールはもうしていませんし、⑥の壁に向かって座らせる事もしていません(ただおもちゃ部屋のある方向へは背を向ける様な配置にはしています。)、⑦も「おかわり持ってくるネ」と言えば理解出来る様になったので私が立ち歩いてもつられる事はなくなりました。

 

 

環境の調整は真っ先に取り組んでみて損はない、という感触を得た一件でした。

 

 


次回はプレのイベント毎にパニックになった事をお話しさせていただければと思います。

 

*1:腰の座りが遅かったので、座位を保つ筋肉の弱さは否めませんでした。座り続けられるだけの筋肉を徐々に養いながら経過を見守る事も大事かな、焦らず叱らず気長に待つしかない日が続きました。

*2:食事時に座り続けられない原因として食べる事そのものも非常にゆっくりで、特にスプーン等の使い方の弱さと口の中の使い方の弱さが一度の食事に時間がかかる原因でした。

・自分でうまくスプーンが使えないから『ママ食べさせて?』となり、息子の手がヒマになるからあちこち触る。
・いつまでも口に入れた物を飲み込めないから、噛んでいる間頭がヒマになりうろちょろする。

悪循環の要因である事は間違いありませんでした。

それでも上記2点の改善は本人の不断の努力が必要で、改善の目処は中長期に渡る事が予想されました。(スプーンは4歳目前、口腔内の使い方は6歳を過ぎた今でもまだ弱さが残っています。)

だから一番即効性のある改善は私の動きや環境を変える事、という発想に至りました。