ぎゅっぎゅっして!ゆっくりがんばる成長日記

子どもの発達や成長について気付いたこと、感じたことを。 忘れないための備忘録的なブログです。

言葉のかけ方を変えました 1(2歳4ヶ月~)

発達障がいや自閉症について勉強をしていると、
”回りくどい言い方は理解が難しい”とか、
”『耳にタコが出来る』といった慣用句への理解が難しい”といった説明が出てきました。

こうした点も指示が通りにくい原因だったり、日本語に対する混乱に繋がるのかも・・・と思い、私自身の言葉のかけ方を変えていく事にしました。

 

~最初はお手本通り~

let-me-pick-you-up.hatenablog.com

 

↑の過去記事にも書きました通り、「~~はダメ」という言い方は出来るだけ避ける様にしていきました。

「○○しましょう。」や
「くつ、はきます。」
(単語に区切り、助詞は少なめ。)
まずはこういった言い方を使い慣れる事から。

これがまた難しかった・・・。
いかに今まで否定的な言い方しかしてこなかったのかを痛感しました(笑)
例えばご飯中に遊び始めたら
「今はごはん中。遊んじゃダメ。」⇔「ごはん食べましょう。食べ終わったら遊びましょう。」
と言い換えれば良いのですが、とっさに思い浮かばない事もしばしば。

というのも息子の多動性が結構響いていました。
ちょろちょろ、っと動いてしまうので焦って声を掛けてしまっていたからです。

繰り返し繰り返し、定型文の様に使い込んでいく事で私も息子も慣れていった感じでした。

 

それでもどうしてもなかなか指示が通りにくい時や聞いてくれない時は英語で声掛けをしていました。
(周囲がざわついている時など、聞きたくても聞けない状態の場合は周波数が違うと言われる英語を使うと一度の声掛けで大体聞いてくれていましたね(^_^;))

 

 

~優等生の様に動く息子・・・~

声掛けの方法を変えはじめてから、息子は私の言う事が理解しやすくなった様子がわかりました。
声掛けの方法を変えると共に、口調も非常に穏やかな、あまりトーンを上げ下げしないアナウンサーの様な口調を目指した事もあってか、息子の気性も落ち着いたものに変化したのです。

しかし、確かに穏やかなこうした声掛けの有効性を感じつつも、
反対に何かを置き忘れてしまった様な・・・何とも言えない感覚を覚え始めました。

 

『私の聞いて欲しい事は聞いてくれている。
でも私の意志しか通していない気が・・・。
私は息子の気持ちを汲みいれられているのだろうか?

 

そんな疑問を持ち始めました。

 

これでは互いの気持ちを伝え合っていない。
この方法は・・・最終的に目指しているコミュニケーションのあり方ではないと気付いたのです。

 

 

~息子の良さと私らしさのバランス~

こうした変化の中で、私はどこかで息子の反論を期待していました。

声掛けの方法を変えるまでは何事にもずっと反抗しているかの様に見えた強い癇癪や強い要求も、声のかけ方を変えて以来あまり見せなくなっていったからです。

 

普通なら、これで事態は好転したと思うと思います。

しかし私には何か物足りなさと言いますか・・・上手く申し上げられないのですが違和感を拭いきれないでおりました。まだ言葉の発達が遅れているのだから、心の内面にある要求を言葉に変換する事は息子には難しい事も承知の上で、それでも私は何らかのレスポンスが欲しかったのです。

 

そこで一つ、やはりアナウンサーの様な口調が、息子の話す気持ちを重く静かな気持ちに変えているのかもしれない、という推測を立てました。

それから、息子の頭の中は当時も今も(想像ではありますが)白いモヤがかかった状態に似ているのではないかな?と思います。
知っている言葉や概念は着実に増えても、それが必要な状況に応じて適切に使えるのとは別。モヤのかかった頭の中から、適切な言葉を探していく作業をしながら話しているなら時間がかかっても当然だと思いました。

モヤの霧を晴らしていく、つまり適切な語を取り出していく感覚は内部感覚の掴み取りと同じ。

息子との会話に出来るだけ時間的なゆとりを持ち、言葉以外の何らかの反応も少しでも広い代弁していく作業を少しづつ少しづつ繰り返していきました。
こういった事をゆっくり何度も繰り返し練習していけばそのうち適切な言葉をうまく取り出せる様になると信じました。

 

~言葉を試し始める~

ゆっくり、非常にゆっくりではありましたが少しづつ色々な言葉を口にする様になり、息子自身も言葉を試しながら話している様子を見せ始めました。

そうして言葉を使う事に少し慣れ始めたな、と思う様になった頃、私はアナウンサー口調は辞めました。

今までどおり、それ以上にトーンをはっきりと、言葉や声色でも人は感情を伝える事がある事を少しづつ教えていく為です。

 

するとやはり息子の要求や反応が戻ってきました。
ただ戻ってきただけでなく、出来る範囲からでしたが言葉で気持ちを表す様に変化してきました。

コップを持ちたいときは
「持つ。」
コップを持って欲しい時も
「持つ。」
同じ言葉を使っていたのが印象的でした(笑)

 

でもそのうち、その言葉に主語をつけはじめました。

「○○(=自分の名前)、持つ。」
「ママ、持つ。」

本当に少しづつでしたがこうして言葉という道具を使いはじめたのです。
(私が言葉の使い方を変えたという主旨の話なのに、息子の言葉の使い方の変遷に摩り替わってすみません、でも驚きがありましたので記録させていただきます。)

多分全くの推測ですが、ゆっくりと単語で話す事でより多くの言葉の使い方を獲得していったのかな?と思います。


※それまでも単語量などは増えていて、単語を並べた様な使い方等はしていたのですが、”持つ”や”取る”といった活用する語はきっと難しかったのだろうと思います。実はそれまではあまり使う事がありませんでした。もしかすると高機能のお子さんなんかには早めに文法のルールを視覚化して教えてあげるとその後の生活がグンと楽になるかもしれない、なんて思います。

 

 

※長文になりましたので後編へ続きます。