ぎゅっぎゅっして!ゆっくりがんばる成長日記

子どもの発達や成長について気付いたこと、感じたことを。 忘れないための備忘録的なブログです。

ぼく、できたよ!(有能感と共感性の関係)前編(生後3歳10か月)

この有能感や共感性に関する話ですが、こちらのブログに引っ越す前に書いた記事の中でも特になるべく早く書き残しておきたかった記事です。

私個人的にも息子やこうした特性について深い気付きに繋がったと思う一件ですので、良かったらお付き合い下さい。

 

この記事の概略なのですが、そうですね・・・例えば、

「おなかへった」

とか

「喉渇いちゃった」

って、みなさんにとってはきっと自然に感じられる事ですよね。ところが息子にはそうした感覚が掴み取りにくい特性が生まれつきある様です。

 

自分の体の中のステータス変化って視覚化されたものではないので、息子にとっては目には見えなくてわかりにくいのかもしれません。(ゲームの様にHPだとか体力っていうゲージが見えればいいんですけれど、なかなか現実世界では難しいかも^^; )

 

今日はそんな体内の変化について考察するきっかけとなった時の話です。

 

 

~地元の絵画展~

息子が幼稚園の年少の冬です。

幼稚園からあるお便りをいただいてきました。

 

地元のデパートで行われる絵画展の案内でした。

 

毎年行われているこの絵画展。

市内の幼稚園から選ばれた園児さん達の絵画を展示する企画なのですが、その展示会場内でお母さん達に向けた子ども達の絵画に関する講座なども併せて催されていたんですね。

 

「興味のある講座を聞いて勉強したいし、お子さん達の絵から元気をもらえるかもしれないから行ってみよう!」

と、気軽な気持ちで行ってみる事にしました。

 

ちなみに・・・

ウチの子は

①「表現(=他人に何かを伝える)する事がまだ難しい」
②「手先の不器用さ」

この2点から、図画工作は当時は苦手分野でしたので、当然ですがこの会場には・・・ウチの子の絵は展示されていませんでした(笑)

 

それでもふと行ってみたくなったのです。

『そういえば何かを表現するって、どういう事なんだろう。』

と改めて考えてみたくなったからでした。

 

***********

会場でお子さん達の絵画を見て感じたのは、やはり思っていた通り”心の中に浮かんだ描きたい何か”を上手に掴み取れるお子さんの絵は技術云々でなく惹きつけられるものがありました。

 

 

私はこうした事を”内部要求の掴み取り”と勝手に呼ばせていただいておりますが、

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体内に起こる要求などのステータス変化を感じる様子をイラストにしてみました。

 

わかりにくい絵で申し訳ないのですが、例として日ごろ息子が苦手にしている"おなかが減った"状態を自分で気付くまでの変化を表してみました。*1

①で空腹になり、脳へ通知される
②脳が情報を受け取る(=気付く)
③言葉や行動で状態を他人に伝える

つまり、③の「おなかがへった!」と言葉にする為には、これらが全てうまく機能して初めて言葉になる様な気がするのです。

 

なのに息子の場合は①の脳への通知②の脳での受け取りのどちらかに弱さがあって、なかなか言葉にならないのかなぁ?と思っています。*2

 

 

*********** 

こんな考えを思い巡らせていたその時ふと・・・こうした事って、一事が万事なんじゃないかなぁ?とも思えたんですね。空腹だけでなく、いろんな内部要求に気付きにくい事が言葉の遅れの原因かな・・・と。

 

もちろんこれらはお医者様の見解でなく、親として日々息子を見ていてそう感じる事であって、多くの方にも通じる事かどうかはわからない、と前置きさせていただきますね。

その上で、怒り、楽しい、辛い、熱い(温かい)、暑い、寒い、痛いなどの比較的強く激しく急激に立ち起こる感情や目に見えてわかりやすい(例えば水がはねてズボンが濡れた=気持ち悪い)事象などは比較的理解が早かったのかも?と考えたのです。

 

その一方で、体内の中で緩やかに湧き起る空腹や睡眠などの要求についてはじわじわとした変化ですし、目に見えないので難しいのかなぁ・・・と思い至りました。

 

ですから息子の様なタイプにこうした感知能力を育ててやりたいと思うなら、想像をはたらかせて理解を促す何かしらの手助け(=写真や絵本で似たような事例の説明)が必要な部類なのかもしれません。ちょうど写真を示して共感性を育んだ↓過去記事の頃の様に。

 

let-me-pick-you-up.hatenablog.com

(絵カードを活用したコミュニケーション方法などは、こうしたタイプの子にとっては思いや感情に一致した言葉を想起するのにとても適した方法の1つかもしれませんね。)

 

 

前置きが長くなりましたが、こんな息子でしたから心に浮かんだ何かを絵に表現する事は当時の息子にはまだ難しいのかな?と当時私なりに受け止めていました。

 

 

 

~有能感と自己肯定感~

ところで自己肯定感を高めていく事は子どもにとって常に大事な事ですよね。

”出来ない!”の連続では

「僕はダメな子だ・・・。」

と落ち込むばかり。

 

普段から息子自身が自分を認めてあげられる何かを探していた当時。

この展覧会の特設ステージで行われた講座というのが、ちょうどそんな私の思いとぴったり合致し、その後の息子との関わり合い方を見つめなおすきっかけを与えてくれたのでした。

 

 

それは大橋功先生の「絵を通して知る子どもの真実」という素敵なミニ講座でした。

 

この時拝聴した内容を簡単にまとめますと、

~子どもにとって有能感*3はとても大事な事である。 つまり、『「ぼく出来たよ!」「私がんばったら出来たの!」と自分を誇らしく思い、自信を持つ感覚を大事にしなさい』~

 

こんな事をおっしゃられていました。

そしてそれは、当時はまだ中々うまく言葉にまとめられてはいませんでしたが、私自身が常々感じていた事でした。

 

 

 (ごめんなさい、長くなりそうなので後編に続きます。)

*1:後で気付いたのですが・・・このイラストは既に療育を決めた時―感覚統合(2歳5ヶ月)という記事でご紹介していましたネ(T_T)情報が重なってしまい申し訳ないです。

*2:息子は4歳目前になってようやく「おなかが減った」状態がどんなものか気付く事が出来始めましたが、しかしやっぱり三つ子の魂百までじゃないですが、幼い頃に苦手な事って長じても色々な外部からの刺激によって感受出来る能力に波がある様子です。それにもっと大きくなった就学前頃には、感知した感情に一致する言葉を脳内に探し当てるリンケージ機能にも弱さがあるのでは・・・?と薄々感じる様になりました。言葉を紡ぎだすって、ホントに大変難しい我々人類ならでは特別な脳機能なんですネ。

*3:有能感って、自分の働きかけや行為によって自分をとりまく世界や環境に影響を与えられるという事を実感していく事なのだそうです。(何分もう随分前の事なので聞き洩らしていたらすみません。)