発達の凸凹への対応 3 ~片付けの事など。 環境を整える 前編~(2歳2ヶ月~)
当時、発達障がいについて勉強していると度々『環境を整える』という言葉に出会いました。
『環境を整える』とはつまり単に整理整頓だけでなく、”今何をする状況なのかが視覚的に理解しやすい様に生活動線などを整える(或いは視覚的なヒントで導線を作り出す)といった事なのかな?”と曖昧ですが理解しました。
あえてキーワードとして『環境』なんて大きな言い方をする意味を考えるとともに、もう少し大きく”息子の身の回り周辺の事”という観点から改めて我が家の環境について検討してみました。
~遊び道具の片付け方~
そういえば当時は日々に追われおもちゃの片付けなんて検討した事もなく、又、当時はまだあまり『子どもが片付けなくて大変だ!』という事もありませんでしたので*1それまでは私の流儀で適当にやっていました。しかしどうせなら、と片付け先をきちんと分けてみる事にしました。
といっても子どもが安全に使えて、子ども自身も取り出しやすく片付けやすい事が条件になる為、たとえ便利でもあまり硬いものや尖った素材の片付けグッズ等はまだ使えない、といった具合であまり選択肢がありませんでした。
思いつくのは一つ、
児童館の様な収納を目指してみる事にしました。
↓大人の胸程の高さの本棚に
カテゴリー毎に分け、そのまま置ける物は置きました。
↓取り出す事が多い小物は
子どもが持ち運べそうなサイズの箱に入れて、箱ごと本棚へ置いておく様にしました。
どうせならもっと分かりやすくやりたかったのですが、まだ幼かったので本人が並べて片付ける事は難しいだろうという事で、この程度に留めておきました。
~片付け→本人の自発性を育みたい~
というのも本格的なお片付はもう少し大きくなってから目指す事にしまして、今はまず片付けへの導入時期だと位置付ける事にしたのです。
ですからまず最初は片付けそのものよりも本人の自発性を促す事を目的にしました。
その為には”片付け”をするタイミングがわかりやすい方が良いだろうと思い、
・遊び→→→食事
・遊び→→→お風呂 など
という風に”遊び”の次の行動で場所を完全に移す事で本人の気持ちを切り替える効果を利用しました。
最初のうちは次の行動にうつる前に片付けの時間を必ずとり、私が片付けている所を見せるというルーティンを繰り返してみました。それを何度か見るうちに息子も真似をする様になり、無事片付ける事が出来る様になりました。
『きっと場面転換がわかりやすかったんだな~』と私なりに手ごたえを感じましたし、何より自分で片付けを出来た喜びが息子にもあった様で、これが自己肯定感の高まりに繋がったと思います。
~余談ですが、3歳を過ぎた頃の片付けについて~
こうして無事片付けが出来る様になった息子ですが、じゃあそのまま定着したのか?と言いますと、そんな簡単な事ではありませんでした。
実は息子の場合ですが、本当の片付けの困難さというのは
(1)どこに戻せば良いのか迷う
(2)手先が不器用で分解や細かく片付けるのが苦手
(3)片付けたらまたすぐに遊べなくなる(=自分の世界が壊れてしまう)
という3点が強く関係していると思われます。
(2)の手先のスキルは一日でスキルアップ・・・とはいきませんので、日々の生活の中で別のトレーニングを少しづつ続けて行く様にしました。
そしてもちろん片付けそのものの重要性についても
(a)無くすと困る
(b)踏んだり潰れると困る
(c)広げっぱなしだと違うおもちゃで遊ぶ場所が無くて困る
と本人が理解していましたので何とか今の息子でも上手く片付けが出来る工夫を考えました。
(3)の自分の世界を壊したくないという気持ちも汲みつつ、(1)のどこに戻せば良いのかわかりやすくする事へ対応する為に
↓この様な乗り物玩具専用の収納棚をDIYしちゃいました(^^;)
もちろんこんな棚を手作りしたのは初めてです(笑)
でも案外簡単で、家族3人で4時間程度で出来ました。
こういった展示型の棚にミニカーや電車のおもちゃをきちんと並べる事で息子のおもちゃの世界を尊重しつつ、ミニカーの箱を奥側に並べておく事で戻す位置を明示してみました。
3歳過ぎてすぐの頃に家族みんなで作ったのでそれなりに息子本人も思い入れのある収納棚となったのかな?と思うのですが、4歳近くになった頃も活用していました。
(作り方は沢山の方がブログ等で公開されています。ご興味のある方は『トミカ プラレール DIY 棚』等の検索用語で探してみて下さい!)
※そしてもちろん5歳を過ぎた頃でも子ども自身も楽しんで片付け出来ていました。それにその後順調(?)におもちゃが増えすぎましたので、更にもう一つ作って運用していました。(↓散らかっていてお見苦しいですがご容赦下さいませ(;^ω^))
引越して以来まだ子ども部屋を作ってやれていませんが、また早々にこの棚を組み立ててやりたいなと思っています。
~無理な時もある~
しかし、5歳頃には”何が何でもお片付けしなさい!”とは言わなくなりました。
やはり無理に片付けをさせる事が難しい時もあったからです。。。
それは上にも少し書きましたが、『完成した物を壊す事への恐怖感(≒再現性への不安感)』が息子の中では非常に大きなものだという事に気付いたからです。
例えば複雑に組み立てたレールや↓この様にサッと簡単に作ったブロックの乗り物でさえも片付ける事を強く拒否する事が多かったです。
理由はきっと、一度壊すとまた同じものを作り上げる自信がなかったからだと思います。
だから本当に自分で納得をして片付けをする為には、手先の器用さや記憶力(もしくはその代替手段として写真に撮っておく事や作り方説明書を見て再現するといった方法)を伝えていかなくちゃ、本人の不安感を払拭してやる事は出来ない事に気付いたのです。
「片付けられないならおもちゃを出しちゃいけません!」と言うのは簡単でした。
でもそうなれば片付けられる簡単な遊びしかやらない様になり、壊す不安から挑戦する気持ちを諦める事もあるのかもしれないと思いました。
だから甘い親ですが、今はまず私がやるべき事を全てやり尽くしてみようと思い模索している所です。
~カテゴリー分けも大事~
そしてこれはウチの子だけかもしれませんが、おもちゃのカテゴリーを細かく分類してやる事も大事だったりしました。
例えば車と電車のおもちゃは同じ所には片付けたくない、ですとか・・・
ウルトラマンだとか仮面ライダーといった男の子の好きなヒーロー物のおもちゃでも同じ番組毎に片付け先を分けるのではなく、ヒーローのエリアと悪役のエリアは別で、更に言えば悪役でも動物系か人物系かによって分けて欲しがったりしました。
ここまで細かくやると大変、と思っていましたが一度納得すれば自分ですんなりと片付けられたりしますので、『最初が一番大変、あとは楽なはず』と思って付き合っています。
*1:これは後々3歳頃になると『片付けなくて大変だ!』という事を実感する様になりました。