感覚過敏・鈍麻への試み まとめ編(2歳4ヶ月~)
~あれ?嗅覚は?~
全身の感覚のという事でお話しを進めさせていただいたこの『感覚過敏・鈍麻への試み』シリーズもいよいよ最終となりました。
それでタイトル通り嗅覚に関する過敏さ/鈍麻さですが・・・
実はうちの子に関しましては今のところどちらもみられません。
嗅覚に過敏さがあると、例えば
・洗濯物の香りが大好きすぎる、とか
・魚の生臭さが耐えられない
なんてエピソードをお聞きします。
確かにもしかすると鈍麻さはあるのかもしれませんが、(他人からは非常にわかりづらいという事もあるかもしれません)今のところ生活に支障がない為、対応していない訳なんです。
うちの子、2歳頃から副鼻腔炎という鼻のトラブル持ちですので、もしかすると成長して副鼻腔炎が落ち着いた頃に嗅覚の過敏さが出てきたら・・・その時にまた考えたいと思います。
~大事な2つの覚については・・・~
感覚過敏や鈍麻を考える際に、五感以外にも実はあと2つ、大事な感覚の事を知っておくと良いかも?と思う事がありました。
・固有受容覚(ボディイメージに関する感覚など)
・前庭感覚(ぐるぐる回転や傾斜を感じる感覚など)
ざっくりした説明ですみません(^^;)
息子が2歳半当時、五感以外のこうした感覚について、私はまったくの無知だったんです。
もし当時理解していればこの後展開していく遊びにもどんどん取り入れていったと思うのですが、そうした感覚への理解は息子が成長するに伴い少し関連書籍などを読める様になってからの事でした。
こうした感覚を大切に育んでいく事もとても大事だと後々気付く事になりますので、もし今からいろいろやってみようと思われる方がいたらと思い、少し書かせて頂きました。
~数年経過しましたが~
結局、聴覚と口腔内の触覚に関してはまだまだ厳しいままですが、視覚や口腔内以外の体の触覚に関してはずいぶん緩んだ様にも思います。
療育やこうした家庭でも取り組みが良かった、というだけではなく、もちろん自然な成長による所も大きいと思います。
一進一退の様なゆるやかな進捗で、まだまだ継続した努力が必要な事には変わりありませんが、当時に比べて格段周囲も本人も楽になった様に思います。
では、次回からは遊びを通じて伸ばしていこうとした試みを記録させて下さい。
(↓ 1歳4ヶ月頃の水遊びの様子です。ご近所にあった水遊び場に初めて水着で入った頃の写真だったかなと思うんですが、かなり恐る恐る水に入っていた様子が良くわかります。普段は「ママ、バイバ~イ」な子が必死に指を掴んで放しませんでした(笑)好きだけど怖い、怖いけどやっぱり入ってみたい、そんな葛藤を乗り越えた写真ですので記念に残させて下さいね。)
感覚過敏・鈍麻への試み 皮膚 後編(2歳4ヶ月~)
~ボディイメージの強化~
さて、皮膚の過敏/鈍麻さへの模索の続きです。
『感覚に訴求する事って・・・他に何かあるかな・・・?』
毛布が意外に効いたので他にも探してみました。
そういえば息子はスパッツやレギンスといった、くるぶしまでのタイツの様なぴったりとした物が大好きだと思い当たりました。
それに偶然かもしれませんが、、、
スパッツの時は何となく指示が通りやすい気がするのです(^^;)何となくですョ
この現象って・・・よく発達障がいの方は全身のパーツの感覚がわからない、とお聞きしますがその表れなんじゃないかな?と思うんです。
そうそう、確か
『自閉っ子、こういう風にできてます!』(著作:ニキリンコさん、藤家寛子さん 出版:花風社)
の中で発達障がいの方が自分の体を動かす場合は意識して脳から指令を出して動かしているといった事をおっしゃっていたかと思います。
つまり、
全身のボディパーツの感覚の希薄さ≒ボディイメージの弱さ
といった事なのかな?と理解したのですが、うちの息子も似たような部分があって、ちょうどその弱さをスパッツが補ってくれているのでは?と思いました。
↑こんな風に圧がかかると自分の境界線がはっきり感じられるのかな?と思ったのです。
私が息子を見て感じた事ですので正しい事かどうかはわかりませんが、息子の場合、背中や後頭部、足の裏といった自分の目で見えない部分や頭から遠く離れた脚などの感覚を掴み取るのが苦手な様でした。
それがこうした補助によってボディイメージがはっきり掴めると、体が自由に動く感覚がするのかな?と思うんです。
思いのままに動く、というより腕や足が動いている感覚が上手く掴み取れると、自分の動作に不安を感じなくても済みますし、そうした無駄な気を使わなくて良くなる分、他の事に集中できるという事なのかなと思います。
『ママの言っている事がきちんと耳に入ってくるョ。』
『何となく今日は体が動きやすいョ。』
スパッツを履くとそんな前向きな気持ちにさせてくれる様な気がしていました。
そしてこうした体が自由に動く喜びに気付いていく事は、息子が苦手だったダンスやお遊戯といった模倣が必要な全身運動へも興味を持たせてくれる様になりました。
子どもには多かれ少なかれ自分の体を動かす喜びがある様に思うのですが、息子もこうした事を経て徐々にそうした喜びを表現する事を覚えていきました。
~水は全身の境界線をはっきりと感じさせてくれる~
わざと水道の水を流しっぱなしで手のひらに水圧を当てて楽しんだり、お風呂の中だと驚くほどの記憶力を発揮したり、プールが大好きだったり。
思えば随分前から息子はこうした特徴を示してくれていたのでした。
考えてみれば確かに水に浸かって水圧が全身にかかると、普段より自分の体をはっきりと感じる事が出来ますね。
この事に気付いてからは、夏の暑い日は積極的に水遊びを取り入れたり、3歳後半からはスイミングも習い始めてみたりなど、日々の中に水との触れ合いを持つようにしています。*1
そうそう、水といえばじゃあシャワーはどうかと申しますと、シャワーはどちらかと言えば最初は嫌いでした。
一部だけ濡れる感覚や、粒が当たる痛さが嫌なのでしょうね(^^;)
それも少しづつ弱めのシャワーから慣れさせていき、いつの間にか楽しさの方が勝った様です。
水圧は好きだけど、濡れる感覚過敏とはまた別問題らしく、水泳でも泳いだり背中に水圧を受ける事は大好きだけど、頭をつけて潜るのは非常に嫌がるという難儀な状態(笑)まだもう少し時間がかかりそうです。
~過敏><鈍麻~
乳幼児の頃は抱っこを毛嫌いした息子でしたが、3~4歳の頃にはどんな抱っこ(前向き、カンガルー抱っこ等)でも大丈夫になりました。小学生になった今はさすがに20kgを長時間抱っこするのは難しいですが、相撲ごっこなんかで持ち上げてやると楽しそうに喜んでいます。あんなに嫌がっていた頃が嘘みたいですネ。
当時こうした皮膚の過敏さについて誰かに話す時、たとえ話として
「息子は皮膚の一枚分を私のお腹の中に忘れてきたかの様です。」と例えておりましたが、今はずいぶん過敏さが薄らぎました。(むしろ鈍麻の方がまだ残っているかも?)
学校で誰かと不意に接触したり、手をつながなくてはいけない場面ではまだまだ厳しい様ですが*2、素材さえ気を付けてやればタートルネックの服も着れますし、タグもあまり気にしなくなってきました。
あ、一つだけ。
あるあるですが、そういえば靴下は・・・おそらく一生嫌がるカモ(笑)しれません。学校から帰るとすぐに脱いでしまいます(^^;)
そうですね、例えば”指先の過敏さ”については、今後の園や学校生活の事を考えて
・爪切りを少しづつこまめに丁寧に繰り返す事で慣れてもらう
・指先に何かが当たる感覚を砂場の砂の代わりに”お米をカップで計量”して、粒の感覚を覚える
・糊の感覚になれる為にスライム遊びをとりいれる
などに取り組んできました。
しかしまぁ、靴下やそれ以外の事については生活にあまり支障が無ければこれ以上無理をしてまでは過敏さや鈍麻さに対してアプローチをしていく必要はないかなと考えています。
不快な感覚は出来れば幼い間に改善してあげられる方が、その後の長い人生において少しでもQOLの向上が見込めるとは思うのですが、、、まぁ、これまで随分頑張った気もしますので今は少し落ち着いて見守っている所です。
*1:スイミングを習い始めた最初の日の帰りに、生まれて初めて「お腹が減った、何か食べたい」と息子が言ってきた事が今でもとても印象に残っています。水から出ると自分の体内のステータス変化がはっきりとわかった様子でした。改めて水圧の効果を感じた一件でした。
*2:そういえば2歳過ぎた当時、実はまだスプーンの自立が出来ていなくて大変困っていたのです。というのも持ち方の練習をする際に息子の手を握ると極端に嫌がって手を取って教える事が困難だったからです。
それでもプレの先生が何とかスプーンの持ち方を教えて下さり、2歳3ヶ月でようやく自立したのでした。
内心『先生ごめんなさい、本当に感謝します。そして以降は出来るだけ家庭で色々な自立に向けて積極的に取り組んで行くようにしますね。』と心に誓った事がありました。
感覚過敏・鈍麻への試み 皮膚 前編(2歳4ヶ月~)
さて、『遊びを通じて伸ばす』という事で、
この後展開していく遊びの中に、こうした感覚の困難さを理解した上でどんな遊びが良いのかを検討したり改善を図っていけたらいいなと試みていた頃の振り返り記事です。
~皮膚感覚の敏感さ・鈍感さ?~
息子には皮膚や触感に過敏/鈍麻の両方がみられました。
挙げてみますと
・普通抱っこは×、抱っこを反り返って嫌がる
・とにかく夏男で、極端な寒がり(温度感覚の凸凹)
・水滴が当たる感覚を楽しむ、一方雨は痛がる
・上記と重なりますが、服が濡れるのを非常に嫌がる
・ぎゅっと圧迫される感覚(しめつけ感)を異常に好む
・フリース素材等のふわふわ毛布が大好き
・少しの肌接触を痛がり、少し感覚が緩むと異常にくすぐったがりになりました
・(スプーンの持ち方の練習等で)手を触ると嫌がる
とにかく抱っこは本当に困りました。。。
よく『抱っこしてよーギャーー』と泣いて要求していた様に思うのですが、実際に抱っこするとすぐにスルリと抜け出してしまい、仰け反って泣いて・・・そして怒っていました。
お腹側が敏感なのか、
逆に背中側から抱っこされるのが大好き過ぎたのか??
普通抱っこをする度に
『そうじゃない!!』
と更に癇癪を起こしていた息子君。
なのでこの子はいつも前向き抱っこでした。
うまく抱っこされない不安感も愛着の形成を妨げている様に感じられましたので、早急な対策を考えました。
~小児鍼からおくるみへ~
1歳半~2歳頃まで夜泣き対策として小児鍼に通っていた事がありました。
でもこちらは夜泣きへの効果というより、皮膚の過敏さに効果が少しみられた気がしていました。
慣れただけかもしれませんが、最初は痛がっていた鍼も半年経てば泣く事がぐっと少なくなったからです。
(小児鍼は普通のお子さんなら多分痛くないと思います。美顔ローラーの様な物で全身のつぼをコロコロと刺激するだけの物ですが、それでも息子は痛いと泣いていたのです。)
しかしプロが半年施術しても泣かなくなる程度・・・こんなに強い過敏さに対して私でも簡単に出来る良く効く抱っこ改善方法なんて思いつく訳がありませんでした(>_<)
そして思案あぐねて途方に暮れたしばらく後・・・ふと大好きな”ふわふわ毛布”を使ってみようと思い立ちました。
おくるみ療法?圧迫療法?なんて前のブログでは勝手に言ってましたが、正式な名称はわからずじまいです。が、きっとあると思います。(すみません、調べ切れていません(>_<))*1
こういった方法は他の方もされている方法だと思うのですが、要はふわふわの毛布で子どもを少し強めに包んで、その毛布の上から抱きくるめるのです。
パニックなんかで激しく泣く息子をふわふわの毛布でそっとくるみながら、その上から私が少し強めに”ぎゅっぎゅっ”とリズムをつけ、締め付けるとまではいきませんが抱きくるみました。
癇癪をおこす度、又、普段膝の上に乗せて一緒に遊ぶ時など都度この方法でとにかく私の抱っこを好きになってもらおうと接触していきました。
後から思うに、ふわふわ毛布の効果は子どもの安心感に大きく作用していた様な気がします。
先程上記で毛布で包む方法を思いついたとお話ししましたが、実はこの方法は過去記事(子どもの発達障害に気付くまで 33(生後2歳2か月~2歳5か月))で発達センターへ行った際に、担当の臨床心理士の方が検査後に教えて下さった事でした。
その心理士さんは息子の感覚の凸凹さが強めだった事を気にして下さったのか、
「お子さんは毛布やふわふわの感覚が好きですか?毛布でぎゅっとすると良いかもしれません。」
と、確かこの様な事を最後に教えて下さったんです。
その場では子どもの対応に追われて一言一句までは覚えられませんでしたが、感覚の過敏さには感覚で訴求してみると良いかも?という事かな?と理解しました。
※長くなりましたので後編に続きます。
*1:圧迫刺激というのだそうです。動物学者のテンプル グランディンさんが気付いた事がきっかけで広く知られる様になった要求なのだそうです。ご興味のある方は良かったら調べてみて下さいネ。
感覚過敏・鈍麻への試み 口腔内 後編(2歳4ヶ月~)
※前回の記事を書きかけのままでUPしてしまっていた様で、お読み下さった方には本当に申し訳ございませんでした。続きを加筆して再UPさせていただきました。何度も読んでいただく事になりお手数をお掛け致しまして申し訳ございませんでした。
~刺激物への鈍麻さ??~
息子の食に関しては食べ物全般困り事だらけではありますが、
実は好きな味というのも何となくある様です。
前回少しお伝えしたのですが、息子は苦手な食べ物が多い中、
ネギ、しょうが、にんにく、大葉
といった香味野菜は好きな様です。
ネギは生はダメですが、少し火を通すと刺激がなくなり香ばしさと甘みが増しますので良く食べてくれます。
う~ん、味覚が鈍麻なのか?それとも香りに繊細なのか?
ゴマも大好きなので、ひょっとすると香りの方かもしれません(^^;)(あ、じゃあ鈍麻じゃないのかも(;゚Д゚)?)
あとは昆布やしいたけなんかのうまみ成分にも良く反応している様に思います。特にグルタミン酸が好きなのかな?
それからお米の甘みやうまみ、魚の甘みやうまみには目がない様です。
ただしどれもほぼ単品食べです(笑)
先日なんて、つけ麺にスープをつけないでラーメンだけで食べていました。慌てて指摘すると
「甘くておいしいと思った。」とぽつり。
敏感なんだか鈍感なんだかよくわからない事もまだまだ多々あります。
まぁ、好きな食べ物がある事は良い事ですので、好きな食品は積極的に利用していきたいなぁと思います。
~大好きな食感もあります~
息子の場合食感も大きなポイントで、
例えばシフォンケーキやロールケーキ等のふわふわ食感が大好きです。
『いつも辛い感覚ばかりでは食べる楽しみを伝えられないかも・・・?』とある時思い立ち、幼稚園へ通いだした年から平日ほぼ2~3日に1回はどちらかのケーキを焼く様になりました。*1
「ボク、幼稚園で毎日がんばってる。」という息子に
「はいはい。」と言って差し出すのが日課でした。
それから、息子には副鼻腔炎にすぐにかかってしまいます。この病気、酷くなると苦い抗生物質を飲まなければいけないのです。
その苦いお薬を飲んだご褒美にはチョコレート。
チョコレートの味は抗生物質との相性が良いらしく、息子にとっては大好きな食べ物でもあります。これを決して噛まず、少しづつ溶け出す感覚を味わっている様です。*2
小さなブロックチョコレートを一粒。これだけで息子は薬をがんばる気持ちになれる様です。
もうね、この抗生物質の苦さと粉薬のザラザラ感の相乗効果が最強なんです(笑)
本当に苦手で、2歳代は薬を飲むのに2時間かかっていました。。。(^^;)ホント大変でした。
その食感を和らげる為に試行錯誤の結果行き着いたのはカスタードでした。
手作りで甘めにカスタードを作り、混ぜたらすぐに飲ませる様にしていました。
今はほとんどの薬はそのまま直飲み。そして相変わらずご褒美はチョコレートです(*^^*)
~2歳当時と大きく変わった事~
当時は
”ザラザラ”、
”きゅっきゅっ”、それに
”ガリガリ”(トースト等)もだめでしたが、最後のガリガリは結構大丈夫になってきました。
特にポテト系のスナック菓子やフライや揚げ物なんかもあまり硬すぎないものなら喜んで食べていますし、
刻み野菜のサイズも少しづつサイズUPしながら食べられるサイズを模索している感じです。
当時ダメだったもので、今は大好きになった食品といえば”牛乳”かも?
昨年まで通っていた幼稚園の先生方が少しづつ挑戦させて下さったおかげで大好きな食品が一つ増えました。息子にとっては1つ増える事がどんなに大切な事か(*^^*)。息子を支えて下さった方々に感謝ですネ。
それから知的活動が進んでくると、知識面をサポートしてみるのも良い手だと思う事がありました。
幼稚園の教材でいただいた『食育バランスシート』。
息子は何度も何度も読んでは
「これは食べられる、これは食べられない。」と確認したり、
自分が苦手な野菜を一覧に見つけ、”病気になりにくい体にしてくれる”役割があると理解していきました。
こうして目で見て知識を得る事も息子にはメリットがありそうです。
※この口腔内編を書いていると現在の息子の口腔内を改めて振り返る良い機会にもなりました。その辺りの現在の事についてはまたサブブログの方でお話しさせて下さいネ。
感覚過敏・鈍麻への試み 口腔内 中編(2歳4ヶ月~)
※昨日(7/6)お読み下さった方、申し訳ございませんでした(T_T)下書きの途中で記事を公開していたみたいで、改めて加筆してUPしました。確認が足りなくて本当にすみません(>_<)
~固形物が食べられない~
↓過去記事の追記に書きました通り、
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
うちの子は固形物が食べられないのです。
固形物というより、苦手な食感だとどんなにすり潰してもダメです。
”ザラザラ”(じゃがいも等)、”きゅっきゅっ”(きゅうり、トマト、コーン等)などの食感が特に苦手でした(T_T)はぁ…野菜の王道ばっかり苦手なんですョ…。(ネギとかショウガなんかは案外好きみたいです。ちょっと味覚に鈍麻さがあるかもしれません。。。)
こういった物は無理に食べさせず、嫌な思いをあまりさせない様にしてきました。
いつか過敏さが緩んだ時に食べてみる気持ちを残しておきたいからです。
それと、食べられなくても一応大人と同じ物を食卓に並べる様にはしています。
少し挑戦してみてダメかどうかを時折確認するためにも。
例えばにくじゃがの”じゃが”です。
←左が大人用の中でも少し小さめのじゃがいも。
→右が息子用。これでも相当小さく刻んだのですが、このサイズでも当時は”おぇ”と涙目で反応していました。*1
この当時はまだまだ長い時間をかけていかなくちゃダメだろうなぁと思ったものでした。ただ、その中でも葉物野菜なんかは食感は苦手でも味は好きそうなので、離乳食をやり直している気持ちですり潰して出すなどの工夫はしてみて、何とか突破口を見出せないか試行錯誤している途中です。
~現在までの対応法~
何となく食べられるニンジンやタマネギといった食材でさえも大きさを間違えれば途端に飲み込めなくなります。
ですので、これまで基本は刻み食をずっと続けてきました。
それ以外に、
(1)口腔内のマッサージ
(2)食品に対する知識(まずは名前を覚える、名付けをする)
(3)料理への興味を促してみる
こういった事を実施してきました。
個別にご説明しますと、
(1)口腔内のマッサージについて
またまたいつもの通り毎度下手なイラストで申し訳ないのですが、上記の矢印の辺りをマッサージしたよ、という事なんです。
当時は歯ブラシも2時間かかる子でしたので、口の中に手を入れるなんて絶対に無理でした(>_<)
ですからまずは歯磨きを嫌がらずに出来る様になる事を目標に、達成したらゆくゆくは本格的なマッサージを取り入れたいと考えました。
歯ブラシは柔らかい赤ちゃん用のナイロンではない素材のもの(シリコンなのかな?)を使い、無理矢理ではなく気持ち良い程度でゆっくり時間をかけて実施しました。
とにかく歯磨きは”気持ちの良いもの”という印象をつけるところから始め、2歳半頃には何とか少しづつ歯ブラシを受け入れてくれる様になりました( ;∀;)長かったぁ・・・*2
そしてその頃から本当に少しづつ上記イラストで示しました通り、歯茎や歯の周辺からほっぺたの内側まで、食品に接する部分を刺激していく様にしました。
『歯ブラシで優しくなでる』
ごくごく弱い刺激でゆっくりゆっくり。嫌がれば辞める、また次のブラッシング時で大丈夫~、といった気持ちで根気よく繰り返していきました。
少し慣れてきたのがわかった頃には「10数える間だけ頑張ろう」と歯磨きの目安を示してやると、本人も『その間なら頑張れる』と思えるらしく、徐々に頑張れる時間が長くなってきました。
そして今に至ります。
この記事を書いている今、息子は小学一年生になりましたが、
”うゎあ・・・こんなに大変な頃があったんだ~(^^;)”というのが振り返っての率直な感想です。
いつしか歯磨きが大好きになり、毎日欠かさず歯磨きする子になりました。
ただ、食べられる物に関してはこの当時から比べて劇的に増えた訳ではありませんので、この点に関してはまだまだ引き続き経過を見守っていかなくちゃいけないです。
(2)食品に対する知識(まずは名前を覚える、名付けをする)
これは専ら図鑑や本を通じて、色々な食品に興味をもって欲しかったからです。
みなさまは
「へ~、こんな食べ物があるんだ。」
と初めて見る食品を思わず口にしてみたいと思う事ってありませんか?
知識として知ると食べてみたいと思ってくれたらラッキーね、なんて思った訳なのです。
図鑑を見ながら
「コーンスープはとうもろこしから出来ているよ」と教えてみたり、
「コロッケの中にはじゃがいもが入っているよ」と説明してみたり。
切り刻んだ食品の元の形おしえてみるのも、息子の様なタイプには安心に繋がる知識なんじゃないかな?なんて思っています。
(3)料理への興味を促してみる
息子は2歳頃から料理を手伝いたがりましたが、とくに火を通す工程に一番興味があった様です。
それでも大変多動でしたので危なっかしくてなかなかお手伝いしてもらう気になれませんでした。
ですので↓過去記事で載せました写真にあります様なおもちゃの食品を使っておままごと遊びをしています。
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
これは・・・実際にはあまり感覚過敏には効果はないのかもしれませんが、料理や食品への興味を失わない為といった意味合いもありますし、やりとり遊びとしても楽しんでいます。