感覚過敏・鈍麻への試み 目・視覚 分析編(2歳4ヶ月~)
~物の見え方~
2歳4ヶ月頃のやっていた感覚過敏などに対するアプローチのお話しの続きです。
今回は目について、、、、なのですが、息子の場合視覚へのアプローチは他の箇所とは違いとても困難な箇所の一つでした。
ですのでこの頃はとりあえず分析をしてみよう、という事で取り組み始めてみました。
1歳後半の↓ 過去記事の中で入浴に1時間かける、というお話しをさせていただきました。
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
そのお風呂遊びでは数字パネルでの遊びやお風呂用クレヨンで描いた絵を見せて見立ての力を育てようと試みていました。
そんな時、息子がふと数字パネルを動かしながら私の目を”チラッ”とみる事がありました。
5のパネルを上下反転させて、チラチラと私の目を見るのです。
まるで”ほら、見て!”と言わんばかりの顔をしていました(笑)
『5を上下反転させると2になったよ!』というつもりなのでしょう。
「Two!! Two!!」と言いながらパネルを指差すのです。
確かにこの見え方は私には思いつかなかった発想でしたので、
「えっ!?すごいネ!」と思わず言った一言に息子はニヤリとしていました。
更に
9を半回転させてニヤリ(笑)
こっちはまぁ・・・多くの人が気付く事なのですが、「良く気付いたねー!」と褒めてやるとそれはそれは嬉しそうな様子でした。
言葉や表情ではまだうまく表現出来ない頃でしたが、嬉しそうだとこちらがわかる様子をしていました。
それから物の見え方といえばもう一つ、↓2歳頃の過去記事の中で水族館が大好きになったという話を書かせて頂きました。
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
そんなに魚が好きなら、という事ですぐに魚図鑑を買い与えたのです。
それを一緒に見ていた時の事です。
当時の息子はサメやマンボウといった大型の魚が好きでした。
ですので買ってすぐに覚えたこのマンボウのページですが、横で息子の様子を見ていると”息子が見ている箇所が何となく変だな?”と思ったのです。
といいますのも、息子は従来のマンボウとウシマンボウ(当時報告されたばかりの新種のマンボウ)の違いが一目でわかった様なのです。
(ちなみに↑の写真の左がマンボウで、右がウシマンボウなのです。)
「ウシマンボウはどれ?」と聞くと必ず正解していましたし、逆の聞き方でも正解していました。
う~ん、、、確かに色が違う様な気もしますが、どうして間違わないのだろうか?と不思議でした。
・・・が、息子を観察していると何となくすぐに理由がわかりました。
息子の視線の先には
魚影の欄がありました(笑)
私自身、この欄に注目した事は今まで一度もありませんでしたので大変驚いた記憶があります。
魚の個別の写真ではなく魚影を記憶していた為、
同じ形の魚はどれか?と判断していた様なのでした。
どうりで全体的には覚えるスピードが速かったのに比べて、色違いの魚を覚えるのが苦手である点や、ホホジロザメの牙をひどく怖がる特徴などから考えますと・・・
息子はおそらく対象物のアウトライン(輪郭)に視点を置いているのではないか?と考えつきました。
(息子と同じような特性の方にはよくある事だそうですね。)
こうした視点は普段の生活の中でもおそらく大きな影響がある事は安易に想像されました。
だから逆に視点を中心にもってこなくてはいけない様な作業(例えば人の表情の判別等)が難しかったりするのかもしれません。
こうした物の見え方をしている息子の場合、それが過敏なのか鈍麻なのかはわかりませんが、何らかの不都合が生じている様に思いました。
ただ、誰しも様々な感覚に感じ方のバラツキはあるものだと思いますので、「うちの子変だ!」とは思わずに、この子にはそういう”見え方の特性がある”のだといった具合で理解し受け入れました。
そう、だからきっと↓過去に
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
私が疲れた表情をしてもヘラヘラ笑っていたのは、顔の中心が見えていなかったのだろうと理解しました。
見えてもいない息子に必死で表情に変化をつけて理解させようとしていたなんて馬鹿馬鹿しいですね。
もっと早くに理解していれば、あの時の対応は違っていたはずなのに・・・と今でも思います。
~視覚への対応~
視力自体はとても良く見えている様子でしたので、対象物の捉え方を矯正していく事に正直心が痛む思いでした。
息子はこれまでは真っ先に対象物のアウトラインを見る生き方をしてきた訳ですから、それが心の拠り所になっている部分もきっとあるのだと思います。
それに形を正しく識別出来る点などは、大好きな電車や車を見分ける能力にもつながりますのでそれを改善してしまうなんて・・・改善といえるのか随分悩みました(>_<)
かといって相手の表情(=感情)を理解出来なければ将来大きくなった時に社会生活を送る上で適切な人間関係を築く事が難しいのでは・・・?と、安易に予想されました。
ですから当面はアウトラインを見る事をすぐには変えず、表情以外(=動作や声のトーン)で相手の感情を理解させる事から始めていこうと思いました。
その先についてはまた随時見直していく、という事で『感覚過敏・鈍麻への試み 目・視覚編』についてはまだまだ試行錯誤を続けている所です。*1
今回は随分ながくなりすみません(T_T)
目や視覚についてまた何か特筆すべき事があれば書かせていただきたいと思います<(_ _)>
*1:因みに現在息子は小学1年生となった所ですけれど、幼稚園の年長の頃には相手の表情を見る様になり、対象物のアウトラインを見つつも中心へ視点が移動してきた様に思います。
そうした事が影響したのか、因果やどちらが先なのかははっきりわかりませんが、いつしか電車や車も好きだけど天体や恐竜といった事へも興味対象が移っていく様になりました。子どもというのはたくましいですね。見え方が変われば好きな事も広げていける様です(*^^*)
※具体的なアプローチ内容についてはもう少し先になりますが改めて書かせて頂きたいと思います。