感覚過敏・鈍麻への試み 皮膚 前編(2歳4ヶ月~)
さて、『遊びを通じて伸ばす』という事で、
この後展開していく遊びの中に、こうした感覚の困難さを理解した上でどんな遊びが良いのかを検討したり改善を図っていけたらいいなと試みていた頃の振り返り記事です。
~皮膚感覚の敏感さ・鈍感さ?~
息子には皮膚や触感に過敏/鈍麻の両方がみられました。
挙げてみますと
・普通抱っこは×、抱っこを反り返って嫌がる
・とにかく夏男で、極端な寒がり(温度感覚の凸凹)
・水滴が当たる感覚を楽しむ、一方雨は痛がる
・上記と重なりますが、服が濡れるのを非常に嫌がる
・ぎゅっと圧迫される感覚(しめつけ感)を異常に好む
・フリース素材等のふわふわ毛布が大好き
・少しの肌接触を痛がり、少し感覚が緩むと異常にくすぐったがりになりました
・(スプーンの持ち方の練習等で)手を触ると嫌がる
とにかく抱っこは本当に困りました。。。
よく『抱っこしてよーギャーー』と泣いて要求していた様に思うのですが、実際に抱っこするとすぐにスルリと抜け出してしまい、仰け反って泣いて・・・そして怒っていました。
お腹側が敏感なのか、
逆に背中側から抱っこされるのが大好き過ぎたのか??
普通抱っこをする度に
『そうじゃない!!』
と更に癇癪を起こしていた息子君。
なのでこの子はいつも前向き抱っこでした。
うまく抱っこされない不安感も愛着の形成を妨げている様に感じられましたので、早急な対策を考えました。
~小児鍼からおくるみへ~
1歳半~2歳頃まで夜泣き対策として小児鍼に通っていた事がありました。
でもこちらは夜泣きへの効果というより、皮膚の過敏さに効果が少しみられた気がしていました。
慣れただけかもしれませんが、最初は痛がっていた鍼も半年経てば泣く事がぐっと少なくなったからです。
(小児鍼は普通のお子さんなら多分痛くないと思います。美顔ローラーの様な物で全身のつぼをコロコロと刺激するだけの物ですが、それでも息子は痛いと泣いていたのです。)
しかしプロが半年施術しても泣かなくなる程度・・・こんなに強い過敏さに対して私でも簡単に出来る良く効く抱っこ改善方法なんて思いつく訳がありませんでした(>_<)
そして思案あぐねて途方に暮れたしばらく後・・・ふと大好きな”ふわふわ毛布”を使ってみようと思い立ちました。
おくるみ療法?圧迫療法?なんて前のブログでは勝手に言ってましたが、正式な名称はわからずじまいです。が、きっとあると思います。(すみません、調べ切れていません(>_<))*1
こういった方法は他の方もされている方法だと思うのですが、要はふわふわの毛布で子どもを少し強めに包んで、その毛布の上から抱きくるめるのです。
パニックなんかで激しく泣く息子をふわふわの毛布でそっとくるみながら、その上から私が少し強めに”ぎゅっぎゅっ”とリズムをつけ、締め付けるとまではいきませんが抱きくるみました。
癇癪をおこす度、又、普段膝の上に乗せて一緒に遊ぶ時など都度この方法でとにかく私の抱っこを好きになってもらおうと接触していきました。
後から思うに、ふわふわ毛布の効果は子どもの安心感に大きく作用していた様な気がします。
先程上記で毛布で包む方法を思いついたとお話ししましたが、実はこの方法は過去記事(子どもの発達障害に気付くまで 33(生後2歳2か月~2歳5か月))で発達センターへ行った際に、担当の臨床心理士の方が検査後に教えて下さった事でした。
その心理士さんは息子の感覚の凸凹さが強めだった事を気にして下さったのか、
「お子さんは毛布やふわふわの感覚が好きですか?毛布でぎゅっとすると良いかもしれません。」
と、確かこの様な事を最後に教えて下さったんです。
その場では子どもの対応に追われて一言一句までは覚えられませんでしたが、感覚の過敏さには感覚で訴求してみると良いかも?という事かな?と理解しました。
※長くなりましたので後編に続きます。
*1:圧迫刺激というのだそうです。動物学者のテンプル グランディンさんが気付いた事がきっかけで広く知られる様になった要求なのだそうです。ご興味のある方は良かったら調べてみて下さいネ。
感覚過敏・鈍麻への試み 口腔内 後編(2歳4ヶ月~)
※前回の記事を書きかけのままでUPしてしまっていた様で、お読み下さった方には本当に申し訳ございませんでした。続きを加筆して再UPさせていただきました。何度も読んでいただく事になりお手数をお掛け致しまして申し訳ございませんでした。
~刺激物への鈍麻さ??~
息子の食に関しては食べ物全般困り事だらけではありますが、
実は好きな味というのも何となくある様です。
前回少しお伝えしたのですが、息子は苦手な食べ物が多い中、
ネギ、しょうが、にんにく、大葉
といった香味野菜は好きな様です。
ネギは生はダメですが、少し火を通すと刺激がなくなり香ばしさと甘みが増しますので良く食べてくれます。
う~ん、味覚が鈍麻なのか?それとも香りに繊細なのか?
ゴマも大好きなので、ひょっとすると香りの方かもしれません(^^;)(あ、じゃあ鈍麻じゃないのかも(;゚Д゚)?)
あとは昆布やしいたけなんかのうまみ成分にも良く反応している様に思います。特にグルタミン酸が好きなのかな?
それからお米の甘みやうまみ、魚の甘みやうまみには目がない様です。
ただしどれもほぼ単品食べです(笑)
先日なんて、つけ麺にスープをつけないでラーメンだけで食べていました。慌てて指摘すると
「甘くておいしいと思った。」とぽつり。
敏感なんだか鈍感なんだかよくわからない事もまだまだ多々あります。
まぁ、好きな食べ物がある事は良い事ですので、好きな食品は積極的に利用していきたいなぁと思います。
~大好きな食感もあります~
息子の場合食感も大きなポイントで、
例えばシフォンケーキやロールケーキ等のふわふわ食感が大好きです。
『いつも辛い感覚ばかりでは食べる楽しみを伝えられないかも・・・?』とある時思い立ち、幼稚園へ通いだした年から平日ほぼ2~3日に1回はどちらかのケーキを焼く様になりました。*1
「ボク、幼稚園で毎日がんばってる。」という息子に
「はいはい。」と言って差し出すのが日課でした。
それから、息子には副鼻腔炎にすぐにかかってしまいます。この病気、酷くなると苦い抗生物質を飲まなければいけないのです。
その苦いお薬を飲んだご褒美にはチョコレート。
チョコレートの味は抗生物質との相性が良いらしく、息子にとっては大好きな食べ物でもあります。これを決して噛まず、少しづつ溶け出す感覚を味わっている様です。*2
小さなブロックチョコレートを一粒。これだけで息子は薬をがんばる気持ちになれる様です。
もうね、この抗生物質の苦さと粉薬のザラザラ感の相乗効果が最強なんです(笑)
本当に苦手で、2歳代は薬を飲むのに2時間かかっていました。。。(^^;)ホント大変でした。
その食感を和らげる為に試行錯誤の結果行き着いたのはカスタードでした。
手作りで甘めにカスタードを作り、混ぜたらすぐに飲ませる様にしていました。
今はほとんどの薬はそのまま直飲み。そして相変わらずご褒美はチョコレートです(*^^*)
~2歳当時と大きく変わった事~
当時は
”ザラザラ”、
”きゅっきゅっ”、それに
”ガリガリ”(トースト等)もだめでしたが、最後のガリガリは結構大丈夫になってきました。
特にポテト系のスナック菓子やフライや揚げ物なんかもあまり硬すぎないものなら喜んで食べていますし、
刻み野菜のサイズも少しづつサイズUPしながら食べられるサイズを模索している感じです。
当時ダメだったもので、今は大好きになった食品といえば”牛乳”かも?
昨年まで通っていた幼稚園の先生方が少しづつ挑戦させて下さったおかげで大好きな食品が一つ増えました。息子にとっては1つ増える事がどんなに大切な事か(*^^*)。息子を支えて下さった方々に感謝ですネ。
それから知的活動が進んでくると、知識面をサポートしてみるのも良い手だと思う事がありました。
幼稚園の教材でいただいた『食育バランスシート』。
息子は何度も何度も読んでは
「これは食べられる、これは食べられない。」と確認したり、
自分が苦手な野菜を一覧に見つけ、”病気になりにくい体にしてくれる”役割があると理解していきました。
こうして目で見て知識を得る事も息子にはメリットがありそうです。
※この口腔内編を書いていると現在の息子の口腔内を改めて振り返る良い機会にもなりました。その辺りの現在の事についてはまたサブブログの方でお話しさせて下さいネ。
感覚過敏・鈍麻への試み 口腔内 中編(2歳4ヶ月~)
※昨日(7/6)お読み下さった方、申し訳ございませんでした(T_T)下書きの途中で記事を公開していたみたいで、改めて加筆してUPしました。確認が足りなくて本当にすみません(>_<)
~固形物が食べられない~
↓過去記事の追記に書きました通り、
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
うちの子は固形物が食べられないのです。
固形物というより、苦手な食感だとどんなにすり潰してもダメです。
”ザラザラ”(じゃがいも等)、”きゅっきゅっ”(きゅうり、トマト、コーン等)などの食感が特に苦手でした(T_T)はぁ…野菜の王道ばっかり苦手なんですョ…。(ネギとかショウガなんかは案外好きみたいです。ちょっと味覚に鈍麻さがあるかもしれません。。。)
こういった物は無理に食べさせず、嫌な思いをあまりさせない様にしてきました。
いつか過敏さが緩んだ時に食べてみる気持ちを残しておきたいからです。
それと、食べられなくても一応大人と同じ物を食卓に並べる様にはしています。
少し挑戦してみてダメかどうかを時折確認するためにも。
例えばにくじゃがの”じゃが”です。
←左が大人用の中でも少し小さめのじゃがいも。
→右が息子用。これでも相当小さく刻んだのですが、このサイズでも当時は”おぇ”と涙目で反応していました。*1
この当時はまだまだ長い時間をかけていかなくちゃダメだろうなぁと思ったものでした。ただ、その中でも葉物野菜なんかは食感は苦手でも味は好きそうなので、離乳食をやり直している気持ちですり潰して出すなどの工夫はしてみて、何とか突破口を見出せないか試行錯誤している途中です。
~現在までの対応法~
何となく食べられるニンジンやタマネギといった食材でさえも大きさを間違えれば途端に飲み込めなくなります。
ですので、これまで基本は刻み食をずっと続けてきました。
それ以外に、
(1)口腔内のマッサージ
(2)食品に対する知識(まずは名前を覚える、名付けをする)
(3)料理への興味を促してみる
こういった事を実施してきました。
個別にご説明しますと、
(1)口腔内のマッサージについて
またまたいつもの通り毎度下手なイラストで申し訳ないのですが、上記の矢印の辺りをマッサージしたよ、という事なんです。
当時は歯ブラシも2時間かかる子でしたので、口の中に手を入れるなんて絶対に無理でした(>_<)
ですからまずは歯磨きを嫌がらずに出来る様になる事を目標に、達成したらゆくゆくは本格的なマッサージを取り入れたいと考えました。
歯ブラシは柔らかい赤ちゃん用のナイロンではない素材のもの(シリコンなのかな?)を使い、無理矢理ではなく気持ち良い程度でゆっくり時間をかけて実施しました。
とにかく歯磨きは”気持ちの良いもの”という印象をつけるところから始め、2歳半頃には何とか少しづつ歯ブラシを受け入れてくれる様になりました( ;∀;)長かったぁ・・・*2
そしてその頃から本当に少しづつ上記イラストで示しました通り、歯茎や歯の周辺からほっぺたの内側まで、食品に接する部分を刺激していく様にしました。
『歯ブラシで優しくなでる』
ごくごく弱い刺激でゆっくりゆっくり。嫌がれば辞める、また次のブラッシング時で大丈夫~、といった気持ちで根気よく繰り返していきました。
少し慣れてきたのがわかった頃には「10数える間だけ頑張ろう」と歯磨きの目安を示してやると、本人も『その間なら頑張れる』と思えるらしく、徐々に頑張れる時間が長くなってきました。
そして今に至ります。
この記事を書いている今、息子は小学一年生になりましたが、
”うゎあ・・・こんなに大変な頃があったんだ~(^^;)”というのが振り返っての率直な感想です。
いつしか歯磨きが大好きになり、毎日欠かさず歯磨きする子になりました。
ただ、食べられる物に関してはこの当時から比べて劇的に増えた訳ではありませんので、この点に関してはまだまだ引き続き経過を見守っていかなくちゃいけないです。
(2)食品に対する知識(まずは名前を覚える、名付けをする)
これは専ら図鑑や本を通じて、色々な食品に興味をもって欲しかったからです。
みなさまは
「へ~、こんな食べ物があるんだ。」
と初めて見る食品を思わず口にしてみたいと思う事ってありませんか?
知識として知ると食べてみたいと思ってくれたらラッキーね、なんて思った訳なのです。
図鑑を見ながら
「コーンスープはとうもろこしから出来ているよ」と教えてみたり、
「コロッケの中にはじゃがいもが入っているよ」と説明してみたり。
切り刻んだ食品の元の形おしえてみるのも、息子の様なタイプには安心に繋がる知識なんじゃないかな?なんて思っています。
(3)料理への興味を促してみる
息子は2歳頃から料理を手伝いたがりましたが、とくに火を通す工程に一番興味があった様です。
それでも大変多動でしたので危なっかしくてなかなかお手伝いしてもらう気になれませんでした。
ですので↓過去記事で載せました写真にあります様なおもちゃの食品を使っておままごと遊びをしています。
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
これは・・・実際にはあまり感覚過敏には効果はないのかもしれませんが、料理や食品への興味を失わない為といった意味合いもありますし、やりとり遊びとしても楽しんでいます。
感覚過敏・鈍麻への試み 口腔内 前編(2歳4ヶ月~)
~過敏さの中でもひと際目立つ口腔内過敏~
うちの息子の感覚過敏の中でも一番周囲がわかりやすいのが口腔内の過敏さだと思います。*1
この口腔内の過敏さは小学生になった今でも苦しんでおります。
先日もちょうどサブブログで最近の事についてお話しさせていただきましたのでご興味のある方は読んでいただけると幸いです。
let-me-pick-you-up-d.hatenablog.com
~私の同級生の思い出~
思い起こせば私が小学生の頃の事です。
クラスに一人、息子と同じ症状で苦しんでいたクラスメイトがいました。
その子は給食で食べられない物が多く、又、食べる時間もとても必要とする子でした。
給食の時間が終わり、掃除の時間になってもまだ涙目で吐き気を必死でこらえながら教室の片隅で食べていました。
今思えばその子も同じ苦しみを抱えていたのだとわかります。今なら少しは助けてあげられたのかもしれないです。けれど当時は同情の気持ちはあったものの”ずっと食べているけど・・・何がそんなに大変なのかな?”と疑問に思っていました。
もちろん誰にでも一つや二つは嫌いな味があって、すごく時間がかかる時はありますよね。
でもそのクラスメイトの様子はあきらかに嫌いな味のそれとは違っていました。まだ当時の私は口腔内の食感や耳の中から聞こえてくる噛み砕く音の辛さなんて知りもしませんでした。
いや、知ろうとしなかったのかも…しれませんね。
とにかくあまりに辛そうな毎日に、そんな疑問を本人にぶつけるのも可哀想な気がして、その子にはその当時の気持ちはずっと聞けずに今に至ります。
そして今、息子が全く同じ状況になって初めて、当時の友達の気持ちが何となくわかる様になりました。
”とにかく気持ち悪い・不快だ”
”味は好きなのに何故か吐き気がしてしまう”
きっと・・・そんな感じだったのでしょうね。
現在私の息子も小学生になりました。
その友人と同じ様にまだ苦しみを抱えたままですが、今は学校や先生方の理解に恵まれまして、何とか過ごせております。
この環境に甘えず、少しでも緩和していけたらいいなと思っています。
口腔内も聴覚の過敏さと似た所がありまして、まずはしっかりと分析を。
・食感が嫌なのか?/音が辛いのか?
(→すりつぶしたりジュースなどにしてみるとどうなのかな?)
・苦手でも味は好きなのか?/味もあまり好みではないのか?
(→味が好きならすり潰してパンケーキに混ぜてみたり形を変えてみる工夫をしてみるなども良いかもしれません。※混ぜた事は包み隠さず本人に伝える事が大事だったりします。)
他にも色々考慮するポイントはあると思いますが、とにかく苦手すぎるのでこれこそゆっくり頑張りたいと思います。
※長くなりますので前・中・後編に分けさせて下さい<(_ _)>
*1:本人が一番辛いのは聴覚の過敏さかも?と思うのですが、聴覚過敏は他人から理解されづらいという点がある様に思います。
感覚過敏・鈍麻への試み 目・視覚 分析編(2歳4ヶ月~)
~物の見え方~
2歳4ヶ月頃のやっていた感覚過敏などに対するアプローチのお話しの続きです。
今回は目について、、、、なのですが、息子の場合視覚へのアプローチは他の箇所とは違いとても困難な箇所の一つでした。
ですのでこの頃はとりあえず分析をしてみよう、という事で取り組み始めてみました。
1歳後半の↓ 過去記事の中で入浴に1時間かける、というお話しをさせていただきました。
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
そのお風呂遊びでは数字パネルでの遊びやお風呂用クレヨンで描いた絵を見せて見立ての力を育てようと試みていました。
そんな時、息子がふと数字パネルを動かしながら私の目を”チラッ”とみる事がありました。
5のパネルを上下反転させて、チラチラと私の目を見るのです。
まるで”ほら、見て!”と言わんばかりの顔をしていました(笑)
『5を上下反転させると2になったよ!』というつもりなのでしょう。
「Two!! Two!!」と言いながらパネルを指差すのです。
確かにこの見え方は私には思いつかなかった発想でしたので、
「えっ!?すごいネ!」と思わず言った一言に息子はニヤリとしていました。
更に
9を半回転させてニヤリ(笑)
こっちはまぁ・・・多くの人が気付く事なのですが、「良く気付いたねー!」と褒めてやるとそれはそれは嬉しそうな様子でした。
言葉や表情ではまだうまく表現出来ない頃でしたが、嬉しそうだとこちらがわかる様子をしていました。
それから物の見え方といえばもう一つ、↓2歳頃の過去記事の中で水族館が大好きになったという話を書かせて頂きました。
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
そんなに魚が好きなら、という事ですぐに魚図鑑を買い与えたのです。
それを一緒に見ていた時の事です。
当時の息子はサメやマンボウといった大型の魚が好きでした。
ですので買ってすぐに覚えたこのマンボウのページですが、横で息子の様子を見ていると”息子が見ている箇所が何となく変だな?”と思ったのです。
といいますのも、息子は従来のマンボウとウシマンボウ(当時報告されたばかりの新種のマンボウ)の違いが一目でわかった様なのです。
(ちなみに↑の写真の左がマンボウで、右がウシマンボウなのです。)
「ウシマンボウはどれ?」と聞くと必ず正解していましたし、逆の聞き方でも正解していました。
う~ん、、、確かに色が違う様な気もしますが、どうして間違わないのだろうか?と不思議でした。
・・・が、息子を観察していると何となくすぐに理由がわかりました。
息子の視線の先には
魚影の欄がありました(笑)
私自身、この欄に注目した事は今まで一度もありませんでしたので大変驚いた記憶があります。
魚の個別の写真ではなく魚影を記憶していた為、
同じ形の魚はどれか?と判断していた様なのでした。
どうりで全体的には覚えるスピードが速かったのに比べて、色違いの魚を覚えるのが苦手である点や、ホホジロザメの牙をひどく怖がる特徴などから考えますと・・・
息子はおそらく対象物のアウトライン(輪郭)に視点を置いているのではないか?と考えつきました。
(息子と同じような特性の方にはよくある事だそうですね。)
こうした視点は普段の生活の中でもおそらく大きな影響がある事は安易に想像されました。
だから逆に視点を中心にもってこなくてはいけない様な作業(例えば人の表情の判別等)が難しかったりするのかもしれません。
こうした物の見え方をしている息子の場合、それが過敏なのか鈍麻なのかはわかりませんが、何らかの不都合が生じている様に思いました。
ただ、誰しも様々な感覚に感じ方のバラツキはあるものだと思いますので、「うちの子変だ!」とは思わずに、この子にはそういう”見え方の特性がある”のだといった具合で理解し受け入れました。
そう、だからきっと↓過去に
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
私が疲れた表情をしてもヘラヘラ笑っていたのは、顔の中心が見えていなかったのだろうと理解しました。
見えてもいない息子に必死で表情に変化をつけて理解させようとしていたなんて馬鹿馬鹿しいですね。
もっと早くに理解していれば、あの時の対応は違っていたはずなのに・・・と今でも思います。
~視覚への対応~
視力自体はとても良く見えている様子でしたので、対象物の捉え方を矯正していく事に正直心が痛む思いでした。
息子はこれまでは真っ先に対象物のアウトラインを見る生き方をしてきた訳ですから、それが心の拠り所になっている部分もきっとあるのだと思います。
それに形を正しく識別出来る点などは、大好きな電車や車を見分ける能力にもつながりますのでそれを改善してしまうなんて・・・改善といえるのか随分悩みました(>_<)
かといって相手の表情(=感情)を理解出来なければ将来大きくなった時に社会生活を送る上で適切な人間関係を築く事が難しいのでは・・・?と、安易に予想されました。
ですから当面はアウトラインを見る事をすぐには変えず、表情以外(=動作や声のトーン)で相手の感情を理解させる事から始めていこうと思いました。
その先についてはまた随時見直していく、という事で『感覚過敏・鈍麻への試み 目・視覚編』についてはまだまだ試行錯誤を続けている所です。*1
今回は随分ながくなりすみません(T_T)
目や視覚についてまた何か特筆すべき事があれば書かせていただきたいと思います<(_ _)>
*1:因みに現在息子は小学1年生となった所ですけれど、幼稚園の年長の頃には相手の表情を見る様になり、対象物のアウトラインを見つつも中心へ視点が移動してきた様に思います。
そうした事が影響したのか、因果やどちらが先なのかははっきりわかりませんが、いつしか電車や車も好きだけど天体や恐竜といった事へも興味対象が移っていく様になりました。子どもというのはたくましいですね。見え方が変われば好きな事も広げていける様です(*^^*)
※具体的なアプローチ内容についてはもう少し先になりますが改めて書かせて頂きたいと思います。