ぎゅっぎゅっして!ゆっくりがんばる成長日記

子どもの発達や成長について気付いたこと、感じたことを。 忘れないための備忘録的なブログです。

公園巡り3(2歳5ヶ月~)

~浮遊感のある遊具といえば・・・~

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浮遊感のある遊具とは・・・そうです、”ブランコ”です。
公園と言うと真っ先に思い浮かぶ遊具の一つではないでしょうか?
ずっと怖がっていた遊具でしたが、公園遊びを繰り返していくうちに息子もようやくブランコにも興味を示し始めました。公園巡りを始めて約2ヶ月程経った2歳7ヶ月の頃です。

きっかけは、当時の子供向け番組の今月の歌がタイムリーな事に”ブランコ”をモチーフとした曲だった事です(笑)『こうした事もきっかけになるんだ~(^○^)この子でもTVに影響される程に成長したんだなぁ。』なんて正直に思いました。

 

ですからこの時もブランコを前にして息子は歌のお兄さんや体操のお兄さんのマネごっこをしたがりました。
私に

「ママ、お姉さんの方(=お姉さんが座っているに座って)。」

と言うのです。

しかし、座るだけでもバランスが必要なブランコ。当時の息子にはこれを乗りこなすだけのバランス力や座位を支える腰周りの筋力が足りませんでした。
その日はとりあえず私が傍で支え、「出来る様に頑張ろうね!」と伝えました。

こうして息子のブランコに乗りたい気持ちを利用して、苦手だったバランスをつける訓練に移行していきました。(前回の記事の様な綱目を登る訓練でも手を使わなければバランスの強化になるかな?と思うんですが、もっと直接的にブランコに繋がる遊具での遊びに切り替えていきました。)

 

それが↓こちらです(笑)

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公園に良くあるタイプの動物さんです。(ただまたがって座るだけのものです。)
はい、当時の息子はこれに乗るのも四苦八苦でした。

というのも以前子どもの発達障害に気付くまで 3(生後4か月~9か月)で書きましたが、0歳代の発達の中で息子は何故か腰の据わりだけが際立って遅く、その影響は2歳を過ぎても感じられるところがありました。*1

この練習を始めた頃の息子はまだ少しでも揺れる事が怖かったみたいで、最初はただ座るだけのゾウやトラ等の動物さんに乗せていきました。
そうして数日色々な大きさに変えても腰がふらつかず、しっかり上半身を支えられる様になってきたら少しバネがついたタイプへと移行していきました。

こうしていくうちに、腰周りの力と万一落ちた時でもしっかり支えられる腕の力が出てきたと感じられた頃に再度ブランコに挑戦してみました。
最初の挑戦から約1ヶ月が経過していましたが、何とか私が支えなくても乗れる様になったという経緯です。


※その後ですが4歳を過ぎた頃、ようやくブランコで座って足こぎを始めました。実はバランス自体は作業療法などの療育でしっかりと取り組んでいただけたおかげで随分と向上しました。ただ・・・一度に複数の作業をする事が苦手なので、6歳を過ぎても危なっかしい動きのままブランコの技術はまだまだ発展途上という感じです(^^;

 

こうして何か一つが出来る様になると、新しい事に自分から挑戦する様子も見られる様になってきたのでした。

 

 

~見えない背中を想像する事~

前回記事で網目のアスレチックをご紹介したと思うのですが、ああした遊具や滑り台の効果がじわじわと効いてきた実感が後々出てくる事になります。

と言いますのも、遊具に背中を着けてみたり足の裏で綱の感覚を探る事が実は息子のボディイメージの弱さを少しづつ緩和してくれていった様に思うのです。

 

”自分の体の限界はどこか?”
”見えない背中や足の裏に物が当たる感覚はどんなものか?”

 

そういった経験を繰り返す中で、息子は次第に自分の体の輪郭を見えない部分も含めてイメージし始めたのだと思います。

楽しく遊んでいるだけだと思っていたのですが、公園遊びには色々な効果が(当時はわからなくても)沢山あって、それが発達を大きく促してくれました。

私自身が運動音痴でおまけにひどい猫背なので、こういった特性の子には(個人によって部位は違うけれど)ひょっとして育ちにくい筋肉があったりするのでは?と思っています。それを少しでも解消できればと思い公園遊びや水遊び等の外遊びを一生懸命頑張ってきたのですが・・・

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どんな公園にいっても自分なりに遊具を楽しんでる息子を見るのが本当に楽しかった頃でした。

 

こうした頃から、この後公園巡りを続けていく事なりました。

 

 

 

*1:全くの余談ですが、当時周囲では同じ年頃のお子さんはお母さんの自転車に乗る子も多くいらっしゃった訳ですが・・・うちの子の場合こうした経緯から私の自転車に乗せるなんて事は・・・とてもじゃないですが難しかった様に感じていました。

公園巡り2(2歳5ヶ月~)

さて・・・前回の記事から随分お時間をいただいてしまいましたが、2歳代~の公園巡り(粗大運動)のお話しの続きです。

 

~足→全身運動へ~

最初は滑り台だけで遊んでいた息子ですが、腕の使い方の上達と共に別の遊具にも興味を持ち始めました。

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こういった網目をのぼる遊具に積極的に挑戦しはじめたのです。

前回記事でお話した石段のある滑り台に似ていたからかな?と思いますが、

『次はどの手(足)を動かそう?』

と考えながらの遊具とは案外相性が良い様です。

 

こういった先を予測する力を使う遊びによって、息子には見通しを立てる力も少しづつついてきた様です。何度も取り組むうちに

「あと何歩で頂上に到着する、と思う。」

といった考え方が出来る様になってきました。

 

すると自然と↓下の写真にある様な鉄棒やうんていにも興味を持ち出しました。その他にも手を積極的に使う運動に挑戦したくなった様です。

 

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といっても、当時も今もまだぶら下がっているだけでしたが、ゆらゆら揺れる感覚を楽しむ様になりました。

(当時はこうした経験を経て全身を振り子の様に使う本当の全身運動へ発展させていけたらいいなと考えて遊ばせていました。)

 

 

~何もしなくても公園は楽しい~

もちろんいつも順調に遊具に向かわせられた訳ではありませんでした。

やはり体調の波があったり外気温に影響を受けたり、昨日出来た遊具も今日は怖がるなんて時もたくさんありました。

そんな時はただ走り回るだけという時もありました。

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でも走り回るだけでも楽しい時期でもありました。

例えばこの木の回廊は板の間の様なトランポリンの様な不思議な浮遊感があって楽しかったり、落ち葉や土のふわふわ感を楽しみながら野山を走り回ったりしていました。

 

そうして遊んでいるうちに浮遊感を楽しむ遊具へも興味を持ち始めたんですネ。

また長くなりそうなので、そのお話しは次回にさせて下さい。

 

公園巡り1(2歳5ヶ月~)

前回記事で公園遊びを意識し始めたお話しをさせていただきました。公園での特に遊具を使いこなす力をつけていきたいと思い、模索していった経過等をお話しさせて下さい。

 

~プール遊びから公園遊びへ~

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まだ食事はご飯や炭水化物中心で、今よりもずっと食べられる物が少なかった頃です。栄養の偏りからか、随分お腹が出ていたりぷよぷよした体系でした。

 

この年のは暑い日が非常に多かったので、プレのない日は泳ぐというよりも水に親しむ感覚で水遊びを積極的に取り入れていました。

こうして初夏から夏にかけプールや水遊びを多く取り入れて遊んでいくうちに、次第に息子の体の動きが力強くなっていくのを感じていました。

 

体幹というのでしょうか?体の中心がしっかりしたといいますか、フラフラしていた足腰もブレにくくなってきたり、大きな筋肉が育ってきたのかな?と思わせる様な動きが増えてきました。そうやって息子に付き合ううちに私自身の体の動きも軽快になってきましたので”そろそろ公園遊びに取り組めそうかも~”と思い始めました。

ちょうど夏休みでプレもありませんでしたので、こうして毎日外遊び三昧に暮れました。

 

 

~すぐに公園へ向かわなかった理由~

『そんなに公園遊びが大事なら、何故最初から公園へ行かなかったの?』という疑問をお持ちになる方もいらっしゃると思います。

公園遊びを重要視していながらも躊躇したいくつかの理由についてですが、
(1)遊具を使いこなす為に必要なだけの基礎的な体格・体力の成長を待っていた事。
(2)失敗に弱い子なので、十分に成功する見通しが立ってからにしたかった。
(3)前回記事の最後に書きました様に、今の息子に適した遊具を思いつかなかった事。
(4)その他、水遊び(猛暑への対策も含め)や室内遊び等優先していた事があったから。

だいたいこういった理由です。

 

 

特に(1)については、公園の遊具といえば、シーソーやブランコ等、”腕や手でしっかりと遊具を握り掴む力”、”バランスを保つ能力”等がいろいろと必要なのだろうと思います。

(すみません、私は運動関係への知識が皆無で間違った事を申し上げるかもしれませんm(_ _)m 上記はあくまで私の主観です。)

もしそういった能力がもっと幼い頃から発揮出来るなら(1)の様な考えは不要ですが、怖がりだったりバランスが悪い場合でもある程度身長や手足が伸びれば地面に足が届くだけでも不安感は大きく緩和されるかな?と思ったのです。

加えてプール遊び等を通じて体幹がしっかりしてきた事で(2)の失敗についても”失敗せずに上手く出来そうな遊具があるのでは?”と思えてきたのです。

 

 

~ある遊具に目星をつける~

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その中でもこういった階段ではなく石がところどころにある『滑り台』に目をつけました。(※この写真はもっと後になってからのものです。)

 

というのも最初に成功したオーソドックスなタイプの物を繰り返し練習していく中で、上へ上へと進むにつれ(不安感からか?)手足が上手く動かなくなってしまう事がありました。

 

そうした場合は

「次は右手を動かして、その次左手、次は右足、最後に左足を動かすよ。」

動くべき動作を言葉で伝えると怖がりながらも

「みぎて、ひだりて。」

と言いながら聞いた通りに動こうとする事が良くありました。

 

 

『なるほど・・・混乱してくると、どう動かして良いかわからなくなるのかも知れない・・・。』

と息子の状況を何となく理解してきましたので、

・こういった状況に慣れる事。
・何度も繰り返し練習する事。
・練習により自然な手足の動きを獲得する事。

を目標に、階段より広範囲で動き、動作に選択の余地がある飛び石の段を使う事で息子自身が自分の四肢の動きを意識しやすくなるのでは?と思ったのです。

 

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それから(この写真ももっと後になってからのものですが)こうした”ハンドル”のある遊具も息子にとっては楽しい見立て遊びの要素もありましたので、階段の上にある滑り台やハンドルで遊ぶ事を目指して遊具へ誘っていこうと考えたのでした。

 

~結果~

最初は怖がってなかなかうまく出来ない事もあったのですが、無理矢理はさせずに毎日少しづつでも続ける事で慣れたり力の使い方を理解していった様です。

普通の階段式の滑り台よりも傾斜が緩やかだからか高さへの不安感も少なく、次第に手足の動かし方もスムーズになってきたのです。

その結果、元々は足の力の方が強い子だったのですが、腕の力も足と同じくらいにある様な気がしてきたのです。

動かし方が上手くなかっただけだったのかもしれませんし、遊びを通じて握る力や腕で支える力がついたのかもしれませんし、そのどちらかはわかりませんが腕が上手く使える様になった事で、別の遊具への興味が一気に出始めました。

長くなりましたので、別の遊具のお話しは次回にさせて下さいませ。

 

 

 

公園巡り(2歳5ヶ月~)に向けて―粗大運動への思い

ウチでは特に公園遊びを意識的に多く取り入れてきたのですが、そのきっかけや経緯についてお話しさせていただきたいと思います。(少し長くなりそうなので数回に分けてお話しさせてください。)

2歳半~今現在も継続している事になります。*1

 

 

~ぎこちなさ・・・可愛らしいけど不憫に思う~

2歳2ヶ月でやっと滑り台に成功した事は過去記事でお話しした通りです。

その際に動きがどうもぎこちなくて、腕や足の関節の曲げ伸ばし一度に複数の動作をする事が苦手そうだなぁ・・・という事に気付いたという内容まではお話しさせていただいたと思います。

 

でもぎこちなさって、幼児特有の可愛らしさにも思えるし、まだ様子を見ようか?なんて考えていた頃もありました。

ちょうど滑り台に成功した頃は初夏(といっても5月なのに30℃を越える日も多かった年)。息子君の外への要求で昼は水遊び、雨の日や夜は手先を使ったり本を読んだりとそれなりに毎日やる事があったので、私の公園遊びへの思いはひとまず置いておきました。

プールの近くに公園があれば、水遊び後に少し遊ぶ程度といった感じです。

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(これは2歳10ヶ月頃の写真です。最初はふらつきながら階段を上っていたのですが、この頃には重力不安などもみせずしっかりと手足を使える様になってきた様子がみられました。遊具で遊ばせる事にようやく安心し出した頃でもあります。)

 

 

 ~粗大運動への思い~

息子を見ていると、体を動かす時に”手を動かす”、”右手を持ち上げる”等の様に脳で命令している様子が見られました。

 

私も幼少期はそうだったのかしら?なんて考えてみたのですがそんな記憶はありません。じゃあもしそうだったとしても、一体いつから考えなくても多くの動きを自然に出来る様になったのでしょう?

 

特に自転車に乗る等では、
①腕でバランスをとりつつ、
②左右の手で舵取りをし、
③両足を常にこぎ続け、
④顔は前だけを見ながら障害物を確認、
⑤耳で後方等からの接近物に気をつける。

等、一度に沢山の動きを必要とされますね・・・。

今のままじゃ息子は苦労するどころか、

「出来ないから乗りたくない!」

と言い出しそうな気さえしました。*2

 

自転車だけではありません、生活の随所にそういった一度に複数の動きを必要とされる事はたくさんありますよね。

 

どうすれば上手に体を動かす事が出来る様になるか?

体の動きを都度考えながら操作しなくても出来る様になるにはどうすればよいのか?

 

答えはみつかりませんでしたが、やはり”遊びの中で伸ばす”事が一番なんだろうな・・・とぼんやり考えていました。

 

 

 

そういえば、全身の各所の動きを一番良くわかっている人達ってどんな人かな?と想像してみました。

例えば、ダンサーやロッククライマー、とび職等をされている方を思い出しました。特にロッククライマーの方は指先1本で体を支えたり、ダンサーの方は髪の毛1本の動きさえ計算されつくした動きを目指している様にも思えます。

 

そこまで自分の筋肉や体を熟知しなきゃいけない、という訳ではないのですが、息子の粗大運動の改善に何か取り入れられないかな?と思い始めました。

 

ダンサーを想像した時、すぐにお遊戯やリトミックといった事を思い出したのですが、その頃の息子はどうも音楽が急に鳴り始める事も苦手だし、大人の動きを見て模倣運動する事もどうも苦手な様子でした。

 

だから、まずは緩やかな傾斜を利用して、ロッククライミングの様に手足の順次的な動きをまず経験させてみようかしら?と思ったのです。

 

 

難易度はごく簡単なところから始め、

でも登り終えた先には楽しい事が待っている何かを探し始めました。

 

 

 

 

*1:引っ越し以前のブログ当時4~5歳の頃は『とにかく粗大運動を!』という思いだったのですが、幼稚園の年長頃から少しづつ手先の作業、つまり微細運動への意識が高まってきました。ですから小学生になった今一番に取り組んでいる事といえば手と目を連動して動かしていく様な協調運動ですとか手先を動かす事なのですが、もちろん今でもアスレチックや公園で体を動かす事は大好きですので暇を見つけては遊ぶようにしています。

*2:結局こうした紆余曲折を経て自転車は何とか幼稚園の年長の夏ごろに乗れるようになりました。が、やっぱり複数に一度の作業をこなす事は出来るけどぎこちないです(^^;

様々なパニック(2歳7ヶ月~)

『パニック』と聞くとみなさんはどんなものだと想像をされますか?


発達障がいについての本等では『パニック』という言葉がよく出てきますが、私は息子が生まれるまで正直ほとんど意識してこなかった言葉です。

 

顔文字で表現すると、
『o(゚д゚o≡o゚д゚)o』 こんなのとか、
『ヾ(゚ロ゚*)ツ三ヾ(*゚ロ゚)ノ タイヘンダァ!!』

こんな程度かなと思っていました。

 

息子をみているウチに『パニック』って私が思っているものだけではないのかもしれない、という理解に至ったのですが、その経緯等をお話をさせて下さい。

2歳7ヶ月~3歳頃までの話です。

 

 

~運動会の日の事~

秋になり、当時通っていたプレスクールで運動会がありました。


雨天への対応もあってか、プレの園庭ではなく近隣の体育館で行われました。

 

お遊戯等の練習も事前にあり、それなりに準備をしてから当日を迎えたのですが・・・当日、運動会が始まってみると終始大泣きに暮れたのでした。

 

ずっと先生方がどなたかあやして下さるのですが、泣き止む事はなく終わってしまいました。
唯一救われたのはずっと泣いていたおかげ(?)で多動でのうろちょろが無かった事でしょうか。

 

ひょっとするとうろちょろする事も出来ない程のパニックだったのかもしれません。


『なにが起きているのかわからないよーーーー!』
『ボクどうすればいいんだよーーーー!』

 

息子にしてみればこんな気持ちだったのだと思います。ほとんどの時間座り込んだまま激しく泣き続けました。(まぁ、パニックと言われればそうかな?という感じの出来事かと思います。)

 

事前の練習等では、”運動会”とはどういったものかを想像する事が出来なかったのでしょうね・・・。(今になってわかる事ですが、”予測”や”予想”といった心の準備が足りなかったのだと思います。)

 

こうして息子の人生初の運動会は終了しました。

 

 

~ハロウィン、クリスマス発表会等~

運動会が終わり、今度はハロウィンパーティーがありました。
こちらはいつもの教室内で、母子共に仮装して参加するイベントでした。

 

私がいたからか、運動会の様に終始大泣きという事はありませんでしたが、集団での写真撮影等大人+子どもが集団になる瞬間でまた大泣きしてしまいました。

おそらくいつもと同じ教室だった事でまだ落ち着いていられた方なのかもしれません。が、こうした出来事をきっかけに”いつもと違う事””場所”自閉症に関する一つのキーワードなのかも?と私自身が気付き、留意するようになり始めました。

 

『なら、初めての事に遭遇すればまた同じ様な反応をするんじゃないかしら・・・?』

そしてこうした私の予測通り、次のイベント・・・クリスマス発表会でも運動会の時と同じ様な状態になりました。

 

クリスマス発表会は園外にあるホールで行われたのですが、初めての場所でした。発表の練習は事前に何度も園で練習していた様ですが、結局舞台の上に座り込んだまま激しく泣き続け、先生に手取り足取りと補助して頂きながら演目を終えたのでした。

 

ですが私自身は予想が当たった事で深く悩む事になりました。

”予想した通りだったのに、対応出来なかった。”
”息子に反映させてやれなかった”という思いです。

 

『私に知識が足りない・・・知恵が足りない・・・』
『いつもと違う事が苦手、いつもと違う場所が苦手、練習では本番を想像出来ない。もっと本人が客観視出来るツールが必要なハズ・・・。』

 

初めて経験する事を事前に予測出来る”何か”を探し始めました。

 

 

 

~プレでの日常等 別のパニック~

発表会等では激しく泣くかたちのパニックでしたが、一方では別の(恐らく)パニックがみられる事もありました。

例えば、
・先生と子ども達だけの状態で急にダンスが始まった瞬間や、
・教室から別の広いホールの様な何もない空間へ移動した瞬間、
・私と息子の二人で良く晴れた日に暗い部屋から室外へ出た瞬間などです。

 

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目の奥は笑っていない笑顔(←難しい説明ですみません)でヘラヘラしながら走り出すのです。

時には他人を押しのけたり、とにかく制御が利かなくなる」という表現が一番ぴったりくる気がします。

 

これが困った事に・・・他の方から見れば”楽しそうに遊んでる”様にしか見えないと思いますが、何かが違うのです。

私や先生の声が一切耳に届かなくなり、一度そういった状態になるとその後数時間は指示が通りにくい状態が続く様な様子が見られました。

 


こちらについての対応策は全く検討がつかなくて、相当悩んだ事を思い出します。

 

 

~それぞれの対応策~

結局、初めての経験で激しく泣くタイプのパニックには事前にイベント等のビデオを見せる事である程度解決出来る様になってきました。

 

イベントの映像に近い物をネットの動画サイト等で探すか、動画がない場合は園の資料等を探して過去の写真を息子に見せる様にしました。
(そういった写真もない場合は、手書きのイラストを描いてみせました。)

『これから起こる事を予測出来る様に。』

『行事の全体像を掴み取りやすくなる様に。』

『どんな事なのかを本人がイメージしやすくなる様に。』

という思いからです。

 

 


そして運動などの時間での笑顔の逃走は、”quiet time”(静かにする時間)の導入です。

 

2つ通わせていたプレのうち、同じ様な運動の時間があったのにインターナショナルスクールへ通っていた日は帰宅後も落ち着いて生活をしていたので担任の先生にお話しを伺うと、

「運動後に室内に戻ってから静かに沈静化する時間を設けているんです。それ(が良いの)かもしれませんネ。」

と教えて下さいました。

 

これは息子だけでなく、他のお友達もみんなで一緒に室内を暗くして静かに過ごす時間を作っているそうなのでした。

『なるほど、そういう訳だったのね・・・。』

という思いを今でも忘れられません。

 

外で興奮した後は沈静化の時間を挟んで別の行動に移るというのがとても有効である事を理解しました。(逆に外遊びで制御がきかない程に走り回る事はとりあえず仕方なし・・・十分に安全に配慮した上で思いっきり体を動かすメリットを選択するという事かな?と思います。)

 

それから、外へ出た瞬間に一人で走っていく事についてはパニックと言えるのかどうかはわかりませんが*1、走る事によってより興奮が増していく事も考えられました。
ですので、まずは私と外歩きの時に繋いだ手を振り切って走り出さない練習を目指す様にしていきました。(練習内容についてはまた別に書かせていただければと思います。)*2

 

 

 

~ヘラヘラ笑いパニックに気付いた時の詳細について~

『”ヘラヘラ”と笑いながら逃走し、数時間は制御が難しくなる事』を”もしかしたらパニックかも”と気付いたのは次年度の幼稚園通いに向けて通わせ始めたもう一つのプレでの出来事からでした。

 

そちらのプレでは保育中に何かスイッチが入ってしまうのか、笑って走り回り指示が通りにくくなってしまうというお話しを先生から受けていました。

それにプレが終わった後もしばらく私の話も聞いてくれず、帰宅するまでも児童館等へ長時間寄り道をしたがったり帰宅後もなかなか昼食をとりたがらなかったりと私が苦しむ事が増えたのです。

 

『そういえば、1歳代で何度か連れて行った児童館でも同じ様な事があったなぁ・・・。』

と思い出し、状態を整理して考えると・・・これは一種の”パニック”なのでは?と思い当たったのです。


腑に落ちなかったのはパニック状態なのに”ヘラヘラ笑う”という表情の不一致でした。

というのも、パニックといえば泣き喚いたりといった何らかの表情変化があるという私の思い込みがあったからでしたが、

『もしかして表情を作る事が出来ない程の混乱なのでは?

それにこの子にとって表情は生まれながらに獲得しているものではなく後天的に獲得する技術であるとしたら・・・?

という考えに行き着きました。

 

うちの子は対象物の輪郭(アウトライン)を真っ先に見てしまう傾向にあるのですが、もしそうした事が関係していて、表情の獲得が遅れているならば・・・あり得る事なのでは?と思えてきたのです。

 

とある知恵袋サイトに

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

人が笑う時に頬が上がるけどこれは先天的なものかどうか?を質問された内容で、先天的なものというお話しがあったのですが、
『人間はくすぐられれば誰でも同じような顔をして笑います』という回答の一文を見た時に「あっ・・・」と思いました。

 

そうです、感覚の過敏さ・鈍麻さがやはり関係しているに違いない!と思ったのです。

 

くすぐり等元来ある通常の感覚と思われる事に対して通常に入力(この場合”くすぐり”)しても、正しい出力(この場合”笑いながらくすぐったがる”)を得られる事が息子には少なかったのです。

この突拍子も無い考えをうまく他人に説明する自信がなくて、当時イラストを描いて整理しました。

 

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少しだけ説明させて下さい。

一番左に不安になる何かがあるとします。

それを見ると普通は頭の中で不安を伝える物質が出て、赤い線にあるようなそれに見合った行動(大人に通知したり守ってもらおうとする等)をすると思います。

でも息子の場合はその神経伝達物質をうまく受容できないなど、正常な脳の働きが阻害されてしまい、緑の線にある様な逃避行動に出るのだと思いました。(ただしこれも普通ならヘラヘラ笑いではなく困り顔になると思います。)

 

試しにこのイラストを夫に見せると

「ふーん。」

の一言で終わったので整理がついたか自信がなかったのですが、 考えを自分なりにまとめ上げ、その問題が発生した方のプレの先生にお話しした所、

「そうです!息子さんのあの行動は確かに”パニック”と思えます!」

と妙に二人で納得したという経緯がありました。

以降はこちらのプレでもパニックを事前に予測して回避していただける等の適切な対応によって徐々にヘラヘラパニックも減っていったのでした。

 

こういった事から、息子に表情を教えていかなくてはという思いが発生しました。
そして、視点を相手の輪郭→顔の中心へ移行していく必要性を改めて強く感じたのでした。


また、この件を通じてこうしたちょっとバカげた考えでも出来るだけ整理して息子に関わって下さる先生方へ伝える事の大事さも理解していきました。

 

 

 

 

 

 

 

*1:おそらく固有感覚の位置覚への刺激を好む傾向があるのだと思います。息子の場合特に下り坂を駆け下りる時に太ももや大腿骨にしっかりと力が伝わる感覚が大好きな様でこうした行動に制御が効かなくなる傾向にあったのだと思います。(もちろんプレで何やっているかよくわからないパニック感からの走り出しだった事もきっとあったかと思います。)

似たようなエピソードとしては↓の記事で2歳当時の山登りでは制御が効かない状態だった事をお話しさせていただいた事がありました。

let-me-pick-you-up.hatenablog.com

当時は今よりも前庭感覚や固有感覚といった感覚への刺激を求める傾向にありましたので、こうした事は日々たくさん・・・ありました。

 

 

*2:結局こうした訓練を経て外歩きで手を離しても安心して飛び出さない様になってきたのは3歳半頃でした。といっても4~5歳の頃はまだ

「外へ出て周りが見えなくなる程興奮したり走り出さないか?」

と聞かれると100%とは答えられない状態ではありました(笑)が、さすがに小学生になった今ではほぼ大丈夫です。

何が作用したのか?という分析があまり出来ていないのですが、

『言葉の理解』

『愛着関係』

『(”みんな”を対象にした)一斉指示があるという事への理解』

こうした様々な理解や経験を通じて・・・ある程度の飛び出しは治まっていったのだと思います。