ぎゅっぎゅっして!ゆっくりがんばる成長日記

子どもの発達や成長について気付いたこと、感じたことを。 忘れないための備忘録的なブログです。

幼稚園見学巡り(2歳6ヶ月~)

~療育による変化~

2歳半頃といえば療育機関と家庭での対応により、少しづつですが息子が成長していく様子が見え始めた頃でした。

特に図鑑・カード・本等を利用しての”知識”や”概念”の獲得といった分野が大きく伸びていく様子が見られ、記憶(特に短期記憶)が得意な事がはっきりしてきました。

獲得した知識や概念をまた遊びに取り入れて探し物ゲームをしたり記憶力を試す遊びを取り入れるなど、徐々に遊びの幅を広げていく様な事をしていきました。

 

 

~インターへの進学を断念する~

そうした中、当時通っていたインターナショナルスクールの次年度以降の面接試験があり、一旦はこうした息子の事情も含めて引き受けて下さる事になりました。

またこのまま頑張れる、とその時は本当に安堵しました。

 

しかし、息子の新しい事に挑戦する事が苦手な特性や、卒業後の進路を考えると日本語教育の重要性を優先し、インターナショナルスクールへの進学を断念する事になりました。

 

当時は生活の多くを英語で過ごしていた事もあり、息子の知識欲や手先の動きを意識したカリキュラム、明確なスケジュールの提示等、息子に最適と思っていた園を諦める事はそう容易い事ではありませんでした

 

どうすればいいかわからない・・・。

 

そんな思いからその後2ヶ月程は、トイレトレーニングに挑戦したり遊びを追求したりと、

『とにかく今は”今できる事”に集中しよう』

とただひたすら息子と向き合う毎日でした。

 

 

~見学へ~

そうはいっても秋にはどの園も出願が始まってしまう為、息子を連れて通園範囲内の幼稚園を出来るだけ見学しに行きました。

まだ多動も激しく、指示が通らなかった頃の息子と一緒に行動するだけで精一杯で、お話しを聞く事も出来ず資料だけいただいて帰る事もしばしばでした。

 

幼稚園の全般的な感想としましては、自由保育はもちろん設定保育と言われる園でさえも当時通っていたプレとは違ってのんびり・ほのぼのした印象を受けました。

 

しかしのんびり・・・とはしているものの、突然絵本の読み聞かせが始まったり音楽が流れてお歌やお遊戯が始まる事もあり

『これは急な予定変更が苦手だったり耳で聞いて理解する事が苦手な息子にとっては超難関な課題が持ち上がってしまった』*1

と内心思っていました。

 

 

 

~環境を合わせる→環境合わせる~

どの園も、多少の違いはあれど、プレ園に比べると急に場面展開が生じる様な印象。

なかなかうまくは説明出来ないのですが、無理矢理例えるなら鳥獣戯画等の絵巻物にある異時同図ミュージカルで突然歌いだすといった感覚です。*2

 

それまでは、プレでも家庭でも違う事を始める場合は一度はっきり区切りをつけて、視覚優位の子でも場面が変わる事をわかりやすく提示する様な流れ作りをしてきました。

例えば
・遊び→食事等であれば、遊びをする場所と食事をする場所は明確に分ける。
・少し興奮する様な遊び→静かに座って遊ぶ場合は、お茶休憩等を挟んで沈静化して気持ちと場面を切り替える
といった具合です。

 

これまではこの様に環境を息子に合わせてきた訳ですが、今後は息子を少しづつ環境に合わせていく必要性を感じ始めました。

 

もしかしたら杞憂に終わるかもしれません。

通い始めたら慣れる事かもしれません。

例えばスピーカーから急に大きな音楽が流れ始めても最初はパニックになるかもしれませんが、そのうち『音楽=お遊戯の時間』という様に理解してくれるかもしれません。(きっと多くのお子さんがそうして慣れていくのでしょう。)

 

しかし・・・もし慣れなければ・・・園生活が苦痛で仕方なくなるのでは?と思えてきました。

 

それにしても・・・臨機応変に対応出来る能力というのはいったいどうすれば身につけられるのか・・・皆目検討がつきませんでした。

 

成長を見せ始めた息子ではありましたが、このままでは春の入園に間に合わないかもしれない・・・という予感が何度もよぎりました。
(結局その後の半年でそこまで対応出来るようには漕ぎ着けられなくて、入園~半年程は多動やパニックが多々みらる結果に(^_^;)やはりもう少し早目に手を打っておけば良かったかもしれません。)

 

 

 

~第一候補のプレスクールにも通わせてみる事に~

まずは慣れさせる意味もあり、いくつか見学にうかがった中で発達障害に精通していて設定保育であり、息子へご理解いただける園のプレスクールに週1で通う事にしました。

 

幼稚園といっても様々な特色を各園でお持ちです。

のびのび自由遊びの中から子どもと膝を突き合わせて成長を見守って下さるタイプの園もあれば、算数や漢字といったお勉強を中心にした園まで。

 

当時通っているプレなら、得意な知識面を伸ばしつつ苦手な手先の運動を工作で伸ばすという点が好きで選んだ訳ですが、同じ内容を日本語で教育していただける園はありませんでした。

 

そこで第一候補の幼稚園での反応を見ながら、幼稚園に何をお願いし、何を家庭で見ていくのが良いのかを冷静に判断していこうと思ったのでした。
(しかしこれが・・・息子がこの数ヶ月の間に大きく成長していくという嬉しい誤算もあって、どんな事を幼稚園にお願いしたいのかを決める事がなかなか難しい作業になっていきました。実は息子は早生まれでして、あと数週間で次の学年に生まれていたらどんなに良かったかとこうした事がある度にいつも思います。)

 

結局、悩みに悩んで約半年後の入園ギリギリまで決められなかったのです。
でもこうして悩んだ事は無駄にはなりませんでした。
息子の事をそれまで以上に客観的に観察する様になったからです。


幼稚園を決めた時の事はまた3歳頃の事として別に書かせていただけたらと思います。
次回はトイレトレーニングの事を書かせていただければと思います。

 

 

[追記]

因みに余談ですが、臨機応変って英語では確か"play it by ear"・・・ つまり「耳で聴いた通りに(演奏)する」って高校で習った(遠い)記憶があります(笑)

聴く力に弱さがある息子には”その場で耳で聞きながら行動を決めていく”なんて難題かもしれません。。。

臨機応変を目指すより、徹底した予習や予測の力を高める方が本人にとっては気持ちが楽そうです。

何が起こるかわからない不安に耐えるより、多くの事象を記憶・経験させて、

「これらのうちどれかが起こるかもしれない」

と心構えさせる方が本人の特性上向いていると傍で見ていて感じます。

 

ところで"play it by ear"ですが、ちょうど小学校1年生になった今、私と楽器の合奏をする中で、間違っても相手の音を聞きながら戻れるタイミングで戻るという練習を通じて少しづつ養っている所です。

 

 

 

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*1:実はこれ、小学校に行っても同じ問題でつまづいてしまった点なんです。三つ子の魂百まで・・・じゃないですが、苦手な部分を乗り越えていく事の難しさを今改めて痛感しています。

*2:

書き方が下手だすみません、日本の幼稚園への批判といった事ではございませんので悪しからずご了承下さい。私自身も普通の幼稚園出身で、色々な行事やイベントに向けて練習したり、自分の体験した事がない事に挑戦する楽しさや初めての事に出会うワクワク感がとても楽しかったものです。

実際私は全てのスケジュールがわかってしまうと少しワクワクする気持ちが薄れてしまうので息子とは間逆の感覚かもしれません。

ところが息子の目線で生活していくと、知らない何かが突然起こる事が恐怖に感じる息子の気持ちが何となく理解出来る様になってきました。そういった特性を踏まえて、さてこれから日本の多くの幼稚園の特色にどの様に対応していけば良いのか思案あぐねておりました。