遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編3 指先を使う(3)(2歳4ヶ月~)
~難易度にこだわった理由~
さて、2歳頃~始められる手先遊びの【少し難しい編】です。
↓でご紹介する中には4~5歳になっても遊び続けられたものも多くあります。
そうした遊びはずっと同じ遊び方をし続けた訳ではなく、成長につれ想像力や語彙力が上がり遊び方もどんどん進化していきました。
そうなってくると一緒に遊んでいても楽しいなと感じる事も増えていきました。
こうして振り返り記事を描いていますと、2歳当時はまだ本当にたどたどしい指使いでした。今はあの頃に比べれば随分とマシになったなぁとしみじみ思います。(といっても、まわりのお子さんと比べると凹んじゃいますので(T_T)比べる時はあくまでも過去の息子と比べる様にしています。)
手先が器用になり(微細運動)、全身の動かし方(粗大運動)も上手になってくると
「ママ、ボク出来ないよ!」という訴えが
「ボクやってみる!」に変わっていきました。
今でも要求の多い手がかかるタイプには変わりありませんが、息子が自分でやってみようとする様子がうかがえるとやっぱり嬉しかったりします。
それにただ嬉しいだけじゃありません。
それが自分が思い描いた様に『出来た』時、
”ボクだってやれば出来る!”
という成功体験に繋がり、その積み重ねが有能感*1を育み、それが最終的には自己肯定感にもつながっていくのかなと息子の成長を通じて感じてきました。
自己肯定感を育むには、誰かに愛されているとか誰かに必要とされているといった感覚だけでなく、自分が今ここにいる理由だとか自分が生まれてきた理由(消極的な言い方ですがボクがここにいて良い理由とも言い換えられるかもしれません)、そして自分がこれから成すべき道をぼんやりながらも見据えていく様な事も大事なのかなと感じるのです。
だから、最初から難易度の高い事を繰り返し行うのではなく、その子その子に合った目標をスモールステップでいいので成功や時には失敗とそれに対する工夫(失敗しても工夫すれば出来る事もあると経験する事)などを積み重ねながら難易度を徐々に上げて進めていくのがいいんじゃないかな?と私は思って取り組んで参りました。
難易度別にご紹介したのはこういった意図があったからだったのでした。
ひゃ~、長々とすみません(>_<)
それでは本題へ参ります。
【少し難しい編】
◎マグネット遊び
こちらは車やバイクなどがマグネットになっていてシートに貼り付けて遊ぶおもちゃです。
開くとこんな風にマグネットのシートと街のイラストが描かれたベースのシートがあり車などをシートから外して貼り付けられる様になっています。
見立てがまだ進まなかった頃はマグネットを元通りにシートへ片付ける型はめパズルとして遊んでいました。(これが車種によっては形が似ているので結構難しいのです(笑))
街のイラストで色々な想像が出来る様になってきてからは、「よ~し、ママはバイクに乗ってくじらを見に行こう!」とか「じゃあ、ボクはバスに乗ってようちえんに行くね!」なんて遊んでいます。
◎アルファベットの型はめパズル
これは2歳9ヶ月の時にクリスマスプレゼントとして購入しました。
数字や文字が好きだったのと、プレでも同じ様なパズルで集中して遊んでいるとプレの先生から教えていただいたので買ってみました。
はい、本当に良く遊んでいました。アルファベットのチョコレートを食べる時に同じアルファベットのピースを持ってきたり、上下反転させても同じピース(NとかOとかX等)だけ集めたり、「Aから始まる物は何かな?」と問題を出してりんごのおもちゃを持ってきたり。
シンプルだからこそ色々な遊びに展開しやすいおもちゃです。
◎海のいきものジグソーパズル
・・・これは4~5歳になっても難しかったです(笑)
それでも当時大好きだった魚のイラストがたくさん描かれていたので、よく手に取ってバラバラに崩しては大泣きしていました(笑)
イラストで配置は覚えられても、四角いピースではないので両手をうまく使ってはめ込んでいかないと・・・という難しさがありました。
好きだったから眺めているだけでもまぁいいっか(^^;)
◎マリンバスにご乗車くださ~い
右上の白い矢印部分が乗車口で、開閉出来る様になっています。
当時はマンタが運転手さんで、イルカやペンギンやタコ、タツノオトシゴをお客さんに見立ててフィギュアをどんどん突っ込み、指で少しづつ動かしながらイスに座らせていました。
ブロックや粘土でバス停をつくってやると、お客さんを待たせたり降ろしたりと遊びの幅が増えやすいのも良い点でした。
見立て遊びの要素と、狭い乗車口からの乗り降りが意外と難しいので難易度高めにしております。
という訳で、当時の手先を使う遊びとしては以上です。
もう少し大きくなっていきますと、もう少し実用的な日常生活の中で指先を使う練習を取り込んで行く様になるのですが、またその頃に詳細を書かせて下さいね。
では次回は室内で体を使う遊びのお話し等をさせていただけましたら、と思います。
*1:何も知らなかった頃は有能感って、「オレは何でも出来るんだゼ~( ̄▽ ̄)」みたいな言葉なのかな?なんて勝手に考えていたのですが、どうやらそうではないのですが、うまく自分の言葉で説明出来ないので「運動有能感の構造とその発達及び性 差に関する研究」(岡沢祥訓、北真佐美、諏訪祐一郎/著 『スポーツ教育学研究』1996.Vol.16,No.2, pp.145-155)を引用をさせていただきます。
この論文は子ども達に”運動に対する関心・意欲・態度を高める”にはどの様な学習方法が良いのかを明らかにする目的で書かれた様なのですが、”(運動への意欲などは)内発的に動機づける過程を経て達成できる”と書かれています。
更に
” Deci1)は,内発的動機づけを「有能さと自己決定」から解釈している。すなわち,人間は 「有能さと自己決定」を感知したいという欲求に動機づけられて行動するものであり,それを内発的に動機づけられた行動であると主張している。また,White17)は有能さと同様の意味で,「有能感」を「有機体が,その環境と効果的に相互作用する能力」と定義して いる。すなわち, 有能感とは予測不能な状況や環境の中で, 自信を持って積極的に対処 していくことのできる能力のことである。”(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjses1982/16/2/16_2_145/_pdf P.146 「Ⅰ.緒言」より)
と。
う~ん・・・正直専門外なので難しいデス。
DeciさんやWhiteさんの説を受けて、という内容の様ですが何とか理解しようとかなり意訳すれば、つまり
『自分は出来ないを出来るに変えたいからやるんだ』って気持ちが人間の行動の動機で、「有能感」っていうのは『自分の働きかけで今置かれた環境や状況を変えたり影響を与える事が出来る能力』という事でしょうか?
間違っていたらごめんなさい(^^;)ヒィィ・・・
でもこうして拝見すると有能感や自己肯定感ってなにも運動だけに限りませんよね。成長の過程で随所にみられる事なんだと思うんです。だからこの文献を参考にさせていただきました。
私自身は故あって自己肯定感は非常に低い状態で、でも何でも自分で何とか出来る様にと育てられました。
だから経験からではないのですが、直感で有能感は子どもの心の成長にとても大切なのだろうと思って参りましたので一度整理してみたくってちょっと備忘録的な事を書かせていただきました。悪しからずご了承下さい<(_ _)>
遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編3 指先を使う(2)(2歳4ヶ月~)
さて、前回に続き指先を使う遊びです。
指先を使う遊びというのは、実は導入してもすぐに効果が出るというタイプの訓練ではありませんでした。(もし即効性を期待された方がいらっしゃいましたら申し訳ございません(/_;))
ただ、息子と楽しく遊べて本当に嬉しかったという気持ちは今でもよく覚えています。
それに以前の記事の追記欄で触れたのですが、
let-me-pick-you-up.hatenablog.com
息子がスプーンの自立をしたのが丁度この頃だったのです。(2歳半目前・・・かなり遅いですね(^^;)アハハ・・・)
なので身辺介助への私の負担が大きく軽減され、こうした訓練などに前向きに取り組めるようになりましたし、息子も遊び以外を通じてのみならず日常生活の中でスプーンを使うたびにいつでも手先の訓練をしている様な感じでゆっくりながらも徐々に伸びていく様子に、
『療育っていつでもどこでも意識一つで取り組めるものなんだなぁ。』
なんて改めて感じたものでした。
長くなりましたが、それでは本題の指先を使う遊びの続きです。
【まあまあ簡単編】
◎積み木はめ
これは・・・正直あまり遊ばなかったのです。
幼い頃から形の違いに気付いていた様でしたので、好きなのかな?と思って1歳の誕生日に買っておいたのですが、1歳半頃には遊ばなくなっていました。
ただ、その後も何度か本来の遊び方とは違う遊び方をしていた事があったので、その中で一つだけ気付いた事がありました。
『落としたい要求』があるという事です。これは排水溝への石落としという困り事にも通じるなぁと思っていました。
(後々こうした気付きが石落としの解決へのヒントとなりました。)
◎手作りポスト
これは2歳8ヶ月頃に当時通っていたプレで空のお菓子箱を利用して作った物でした。
当時はこれとミニカーの郵便車で『郵便屋さんごっこ』をして遊んでいました。ポストの投函口が程よく狭く、中に封筒を投函したり取り出す遊びで手先を工夫して動かそうとするのが良かった様に思います。
穴が意外と狭めなので簡単に作れる割に難易度が高めです。(ついでに目もかなり使いますので手と目の協調運動にもってこい、かも?)
◎ビー玉落とし
100円のお店で数枚の板材を買ってきてボンドで止めただけの簡単なものですが、これが結構遊べました(笑)
ただし配置する角度によってはビー玉が速く落下するのでなかなかうまく行かないと泣いてしまう事も・・・(^_^;)
◎もぐもぐごっこ
先日の記事でカード遊びのご紹介をさせていただきましたが、その中でカードがない場合でご紹介した事なのですが、お片付けを指示した絵を見た息子が片付けを遊びに変えてしまったというエピソードでした。
そのお話しを少し詳しく書き残させて下さいね。
ウチは男の子なんですがままごとグッズが好きな子でしたので、折を見てはままごと用の野菜を少しづつ買い足していたんです。それがいつの間にか増えすぎて、当時ちょうど手持ちのバスケットに入りきらなくなった頃でした。そこで思いつきでカエルのゴミ箱にあふれた野菜を入れる様に指示してみたのです。
そうすると息子は
「ごはん!」と言いながらトマトやきゅうりをカエルに食べさせてあげるという遊びを始めてしまったのです(笑)
私もそのまま子どもの遊びに乗っかって
「ありがとう!美味しい、もっとちょうだい!」などとカエルの言葉を代弁してやるとますます喜んでいくつもいくつも食べさせようとする訳です。
すると案の定すぐさまカエルのお腹は一杯になる訳ですが、
「おなかいっぱい!ちょっと待っててネ。」といってカエルがトイレに行くふりをし、中身を空っぽにしては
「またお腹減っちゃった、ごはんちょうだい!」と続けて遊んでいました。
「パク!」とか「もぐもぐ」といった擬態語を使うといつまでも大爆笑していました(笑)音が想像を補ってくれたのでしょうね。
よっぽど大好きな遊びだったみたいで、以降数年はこの遊びをよくやりました。(よくも悪くもエンドレスループに陥る遊びですので、時間に余裕のある時にじっくり付き合う覚悟で遊んでいました。)
手先のスキルとしては簡単なのですが、やり取りの要素が加わるので難易度としては少し高めかな?と思います。
見立ての力もつくし、お世話をする気持ちや他者の立場になって考えてみたりと、色々な力を育んでくれる遊びと言えそうです。
◎キューブパズル
これは船・バス・ショベルカー・はしご車・新幹線・ロケットの6種類に組み替えられる組み立てパズルです。特にロケットなんかは6つを積み上げるのでうまくバランスを保つ必要があります。
3歳の誕生日プレゼントに夫が買った物で、この頃にはこれが出来るスキルが備わっていた為簡単に出来てしまいましたが楽しく遊んでいた様です。
◎キャップ落とし
2歳8ヶ月頃から色々な児童館へ出かける様になりました。
そんな中、ある児童館にこういった手作りおもちゃを置いて下さっているところがあったので私も帰宅してすぐに家で作ってみました。
これは・・・
・・・予想以上にすごいおもちゃでした、これを考えた人はスゴイ!と思います。
実はこれが(うちの子の場合ですが)排水溝への石落としをしなくなった一つの要素になりました。(排水溝への石落としの詳細はまた別記させて下さい。)
ペットボトルのキャップ2つをビニールテープで止めて、パスタ容器に落とすだけの簡単な物です。
ビニールテープの巻き数で厚みを少し変えられるので、息子の何かを落としたい要求を満たしてくれた様です。
長くなりましたので、最後の【少し難しい編】は次回に書かせて下さいませ。
遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編3 指先を使う(1)(2歳4ヶ月~)
さて、これまでの一連の遊びを通じて息子の手先に不器用さがある事に気付いた私でしたが、
『はて、でも不器用すぎるってどういう状態だろう?他にも息子と同じような事で困っている方っているのかしら??』
等と思い当たりました。
早速ネットで『不器用 障害』という検索ワードで調べると・・・ありました(^^;)
協調運動障害(発達性協調運動障害)というのだそうです。。。この時初めて知りました。
ウィキペディアさんの当該ページ(発達性協調運動障害 - Wikipedia)を拝見すると、
”協調的運動がぎこちない、あるいは全身運動(粗大運動)や微細運動(手先の操作)がとても不器用な障害”とあり、具体的には
・ボールが片手で投げられない(→コレはまさにその通り。サッカーの様に蹴る方がマシみたいです。)
・自転車に乗れない(→そうそう、三輪車もぎこちなかったくらいです。結局自転車は猛特訓を重ねて何とか平坦な道なら乗れます。)
・ボタンを掛ける事ができない(→特に首に一番近い部分は難しい様子です。)
・靴の左右を度々間違える(→2歳代までは確かにそうでしたネ(^^;)柄やイラストでわかりやすい様に工夫してある靴で左右が違う事に気付いた様です。)
・箸を使えない(→スプーンの自立が遅かったので、何とか自立させてやりたい一心でじっくりと時間をかけて取り組んでいきました。)
と、この様に思い当たる事だらけでした(笑)
といっても私は医師ではありませんので、ほとんど全部当てはまるからといって勝手に診断を下す訳にはいきません。
『発達性協調運動障害というものがあるんだ』と常々意識しておいて、生活の中で改善を試みる様に働きかけていこうと思った次第です。
~手先を使った遊び 難易度別~
Wikipediaにもありましたが、協調運動には全身運動と手先の操作の2種類があるそうです。
ですからその双方を意識した取り組み を始めようと思ったのですが、全身運動は当時夏でしたのでプールや普段の公園遊びを通じて粗大運動的な事を取り入れていこうと思いました。
一方、今回の目標は特に手先の操作の方でした。
かといって、本人は口を開けば
「プール!お外!」
当時は室内で大人しく遊んでくれる・・・タイプではなかったので*1どうしようかと少し考えたのですが、いくらプール三昧といってもいつも外で遊んでいる訳ではありませんよね。
そうなんです、うちの子は雨の日や帰宅後なら納得して室内遊びに取り組んでくれる事に思い当たりました。
という訳でどんな室内遊びを組み込んでいこうかしら?と考えてみました。
そこで真っ先に思いついたのは
”積み木遊び”でした。
よく『小さい頃に積み木遊びが上手なお子さんは大きくなっても賢い方が多い』なんてお聞きする事もありますし、積み木なら手先も使うし見立て遊びにもなるから丁度イイと思って早速導入したんです。
が、・・・・・・||||||(-ω-;)||||||…全く息子の心に響きませんでした(笑)
手先も不器用ですが、それ以上に当時は見立ての力が弱いので
『これ何?全然面白くない』
とでも言うかの如く無反応でした。
積み木って、たぶんお母さんや周囲の方が上手に使い方を教えてあげられると楽しく遊べるようになる時期も早いかも。(そう、私自身が苦手なんです^_^;)
結局うちの息子が積み木で遊び始めたのは4歳で少しブロックで遊べるようになって以降の5歳頃で、それもYouTubeで積み木のロボを見て『ボクも作りたい!』と思ったのがきっかけみたいです。*2
やっぱり遊び方を教えるって大事な事なんですね。当時その事実に気付いていれば、もう少し遊び方のバリエーションが増えていたかもしれません(^^;)
という事で、こうした事を考慮して当時よく遊んだ遊びを下記に挙げてみます。
見立ての力があまり必要ではなく、”わかりやすい”+”少し手先を使う”という点で難易度別に並べてみます。
【簡単編】(2歳4ヶ月~)
◎カップ積み
良くあるタイプのものです。これは1歳代から遊んでいました。大きさの順で積まないと積みあがらないのですが、以前は積み上げられていたのに徐々に出来なくなっていったおもちゃでした(笑)ですからお風呂に持ち込んで、おもちゃの魚を入れて金魚ばちタワーを作ってみたりコップに見立てて水を注ぐ遊び等に変えて遊んでいきました。
◎シール貼り
乗り物系のシールです。(反射して見え辛くてすみません(T_T))最初は名前を覚える為に使っていましたが、探し物遊び(『消防車はどこだ?』といった様な遊び方)へ、その後シール貼り遊びへと発展していきました。
◎乗り物型はめパズル(柔らか素材)
これは2枚一組で市販されていたものです。木型の型はめだときちんと合わせないとはまり難い事もありますが、ソフト素材なので少し無理矢理にはめても大丈夫です。失敗のない遊びとして、息子は大好きな乗り物のパズルをとても楽しんでいました。
◎ルーピングコースター
これこそ失敗のないおもちゃとして有名なものかと思います。
子どもに関する色々な施設で導入されている事も多く、病院や児童館等なんかで手にする機会も多いのではないでしょうか?息子もいまだに病院などで見かけると遊ばせていただいております。
2歳半頃はただ手先を動かす要素と色の連結を楽しんでいた様ですが、そこから発展して4歳頃には『まって~ボクも一緒に行く~』とか『6両編成電車になりました~』等と形状や色に応じて電車や生き物に見立てて遊んだりする様になりました。息子にとっては簡単だけどずっと遊べるおもちゃです。
さて、少し長くなりますので、もう少し難易度を上げた遊びは次回にお話しさせて下さい。
遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編2 カードがない場合(2歳4ヶ月~)
~カードがない場合~
前回の記事で息子とカード遊びの有効性と手先の不器用さに気付いた事をお話しさせていただきました。
そこで市販品に限らず『もっとピンポイントで教えてみてはどうかな?』と思い立ち、(絵を描くのは本当に苦手なんですけれど)画用紙にササっとイラスト的なものを描いて見せてみる事に。
最初は息子が考えていそうな事をその場でいくつか描くといったスタイルでした。
息子の脳内イメージを補助出来るといいなと思いつつ、当時興味のあった乗り物系のイラストを描いていました。
↑手持ちの乗り物カードにはなかった乗り物や、持っているけど特に好きな新幹線、あとは回転する部分があるものなんかを選んで描いていました。
↑数字が好きでしたのでとりあえず100までを網羅しておこうかと。あとは100単位で変化させてみたり1000や10000という数字を見せてみました。
こうした予測しやすい規則正しい変化は好きな様子でした。
↑以前発達検査を受けた際に、『何をする物でしょう?』といった質問が大好きだった様子がみられましたので類似問題を作ってみたんです。
この頃からクイズ問題が大好きな傾向があったのでしょうね。(最近ではTVのクイズ番組をかじりついて見ています。)
↑迷路風なイラストを描いてみると、指でなぞって遊んでいました。
ただ、この頃は通路は完全無視(笑)壁を突き抜けたりワープしたりと、マイルールで楽しんでいました。
(迷路を本格的に遊び始めたのは4歳前頃でしたので、まだ少し早かったかもしれませんネ。)
~魔法のツールの副作用~
そうしたイラスト遊びを通じて、私は絵の有効性に気付いてしまいました。。。
なので自然と↑この様に絵で指示をする事も増えてきました。
その頃は息子に会話で「お片付けしよう」と言っても全く通じなかったのですが、絵を見せるとピタっと遊ぶ手を止めて指示に従う様子があったのです。。。
当時の私、今となっては大変お恥ずかしい話なのですが
この自分にとって本当に楽で好都合なツールを多用しすぎました(^^;)
だって当時の感覚では
『一日が終わらない・・・』
『体がもたない・・・家事をする私がもう一人いれば・・・』
こんな事ばかり考えていましたので、全く言う事を聞かない息子がピタッと手を止めてくれる魔法のツールの副作用なんて何も考えずに多用し続けたんですね。
そうですね、結局幼稚園の年少さんまではイラストを使って指示を出していた様な記憶があります。
ただそれも4歳になる前には辞めてしまいました。
『反論の余地も与えない様なこんなツールの使い方はフェアじゃない、イラストの本当の使い方をしたい』と思ったからです。
それ以降はイラストはあくまでも私と息子の間で認識や予定・工程などを相互理解を深めるために描くようになりました。
それは『押し付けのイラストなんて楽しくないな』、と思える程に息子が成長したから、と言えるかもしれません。
そういった意味ではそれまでの成長を下支えしてくれたイラストによる指示という面もあながち悪い事ばかりではなかったのかもしれませんネ。
危険な事ややるべき事を的確に伝える上で、当時イラスト以上に即席で作れて効果があった手法はありませんでしたので。
ちなみに副作用とは、息子の場合ですが反論出来ずに溜まりに溜まった負の感情がその場ではなくてしばらく後に爆発する様な事でした。息子の癇癪の中にそうした感情を感じた事があったからです。
『もっと遊びたかったのに、どうして言う事ばかりきかなくちゃいけないの!?』と言葉で反論出来ないぶん、大癇癪を起こしていたのでしょう。
あーー、
コミュニケーションのはずなのに、
全然相互の意思疎通ではなかったのね。
私からの一方通行じゃダメね、ごめんね。
そう思ったからある程度の効果を認めた所で辞めたという経緯です。
~我が家で絵カードをあまり使わない理由~
上記の様な経緯もあり、実は我が家では絵カードはあまり使わないんです。
以前にあまりPECS(絵カードコミュニケーションの手法の一つ)などのお作法を全然理解しないままに自分の都合だけを考えて絵カードだけを導入した事があるのですが、一度に300枚程の概念や名詞や動作を示すカードを渡してみたら、一読して私に返却してきたんです。
さも『ありがとう!全部覚えたよ、楽しかった~』と、言葉では言い表しませんでしたがたくさんの知識を得られて嬉しかった様子でした。
だから「ま、いっか」と思っちゃいました。
楽しめたならいいかな、と。
もっと必要性を感じる様になった時に改めて正しい使い方を勉強してみよう、と思う様になりました。
そうして6歳を過ぎた頃、
小学校生活でもう少し言葉がスムーズに出ればと思い少し勉強して再導入しようかなと思ったのですが
「だって、みんなそんな事してないから使いたくない。」というのが息子なりの意思です。
ちょっと時すでに遅しな我が家の事情なのでした(^^;)
~遊びはあくまでも息子主導で~
話が未来に進み過ぎたので2歳半頃の話に戻しますが、
いくら息子の為になる、といっても本人がその気ではない時にこちらの遊びを無理強いしない様に気を付けました。
あくまでも遊びのネタを提供する程度の感覚でカードやイラストを見せ、乗り気ならカード遊び、そうでない場合は息子が遊んでいる中に少しづつ入っていく様にしていきました。
同じ空間に入れるだけでもOK、そのうち少しづつ
「何して遊んでるのかな?車、カッコいいね~」なんて共感していくだけでしたがそれが飽きると
『一緒に遊ぼう』とでも言う様に自分からカードを持ってきたりする様になり、少しづつ息子のペースで進めていきました。のんびりでも少しづつ息子が何かを吸収していくのを感じていたからです。
それにこんなエピソードもありました。
上記の指示を伝えるイラストの左下の部分の事です。
当時はカエルのゴミ箱をおままごと用の野菜や果物入れとして使っていたんです。
ですからままごと遊びの後に片付けの指示としてこのイラストを見せていたのですが、いつの間にかカエルの口にパクパクと入れる様子が楽しくなってしまい、いつの間にかそれ自体が遊びになってしまった事がありました。
「いつまでも片付かないでしょ!」と怒るよりも
「あはは、パクパクもぐもぐおいしそうネ。『もっとちょーだい』って言ってるョ。」と終わらない片付けを一緒に楽しむ方がずっと有益な楽しい時間。
いつかもっとやり取りを楽しめる日が来るだろうと子どもの成長を信じ、こうしたのんびりな時間を楽しむ様にしていました。
遊びをせんとや生まれけむ―室内遊び編1 カード遊びと不器用さ(2歳4ヶ月~)
※夏休みで更新が滞っております<(_ _)>
という訳で久々のUPなのですが今回はかなり長文になり、写真も多めになります(^^;)分割しようかとも思ったのですが、カードを使った遊びについてひとまとめにご説明したいので長文で残させて頂きます。予めご了承いただけると幸いです。
~カード = 区切られた領域~
前回の記事で息子がパソコンの壁紙に興味を持った話をさせていただきました。そこから発展した遊びをご紹介させて下さい。
当時息子が普段遊んでいた部屋での遊びって、いつも同じでごくごく単調なものでした。
本人にとっては
『どこでどんな遊びをして良いのかよくわからないなぁ・・・?』
といった思いもあったのかもしれません。
ですから一人で遊ばせていたってあまり遊び方が発展しませんでした。
かといってこちらから遊びに誘ったとしても、(遊びの意図がわからなかったのだろうと思いますが)こちらの誘う遊びはあまりやりたがりませんでした。
本人がよく好んでする遊びといえばただただミニカーや電車のおもちゃを寝そべってはタイヤを覗き込みながら延々と手転がしするだけ・・・という事が非常に多かったです。
そんな中、写真にとても良く反応していた様子が見られましたので、息子が好きそうなカードをいくつか探して与えてみました。
カードの世界観って、小さな1枚の中で全てが完結しているのがわかりやすかったのかな?と思いますが、それ以来ソファーであろと床であろうと場所を問わず集中して遊ぶ様子がみられました。
カードって、余計な情報は見ないで済みますよね。そこにはバスならバスだけ、電車なら電車だけしか載せていない事が多いからです。
絵本等にも通じる事ですが、この空間の区切りが息子の理解を助けてくれたのだと思います。
こうした経験から息子にはカード等を使った遊びが有効なのでは?と気付き、実際に遊びに取り入れていきましたので下記に記録させて下さい。
~実際に取り組んだカード遊び~
(1)絵合わせカード
まずは市販の乗り物絵合わせカードです。
大好きな乗り物に関するカードだったので、無理矢理誘わなくてもすぐに飛びついてくれました。
手先に不器用さがあり2枚をうまく合わせる事が難しかったのですが、このカードを毎日触れていくうちに少しづつ上手に出来る様になっていきました。
又、裏表もバラバラにシャッフルしてしまうので探し物の要素も加わり、「ヒントはこの辺りだよ」といった私とのやり取りも自然に出てきました。
裏面に日本語と英語の両方の表記があったのも息子が興味を持つきっかけになった様でした。
(2)文字カード
こちらは手作りの五十音カードです。
当時カタカナを勝手に覚えてしまった頃で、ひらがな・カタカナが息子のマイブームでした。
『これもカード遊びに取り入れちゃえ』と、手書きで厚紙に。表面はひらがな、裏面はカタカナです。
これもシャッフルして並び替えたり、お気に入りの文字だけ集めたり、文字をつなげて”くるま”と単語を作ってみたり。
こうした遊びがきっかけで、この後文字をつなげて遊ぶ”単語遊び”へと発展していった様に思います。
文字カードをつなげていく事が
・文字→単語
・単語→文
こうした事を視覚的なイメージの助けになったのかしら?と思います。
(3)電車カード
こちらは本物の電車とそのおもちゃの電車、裏表に両方の写真や情報が書かれたカードでした。*1
遊び方としては、本物の写真を見て名前を当てたり、ディーゼルやパンタグラフといった特徴からどんな地域を走る電車なのかを考えたり、寝台特急や貨物列車の特徴を言い合いって遊んでいました。
残念ながらもうカード情報が随分前のものになってしまい、当時とは電車の名前が変わったり、廃止になったり、そして本人の興味の移り変わりなどもあり2年程前からあまり使わなくなってきました。でもこれはきっと大人になっても好きだと思いますので今でも大切に保管してあります。
(4)世界の名画かるた
これは私が好きで買っていたカードでしたが、気付けば息子が勝手に見つけ出して遊んでいました(笑)
名画の取り札と文字ばかりの読み札の2種類で1セット。最初は専ら大好きな絵ばかりを自分で集めて眺めているだけでしたが、5歳頃には読み札側も使って遊んでいました。
ちなみに息子が好きな絵はマネ、フェルメール、クレー等と今も当時とあまり変わっていない様です。
(5)魚探し・動物探し
今から思えば・・・まめに手作りしていたんだなぁ改めて思いますが(^^;)当時息子の興味にぴったりのカードというのも市販品ではなかなかみつからなくて、色々考えた結果が↓こちらの手作りボードでした。
※↑ごめんなさい、画像が漏れていた様なので後日再UPしました。
当時息子が大好きだったものといえば”魚”でした。
特にサメや深海魚が好きでしたね。
ですが当時は魚カードは探したのですが見つからなくて、結局こうした熱帯魚系のシールを手にしてみました。
『どうかな・・・?』と試しに厚紙に貼り付けて「モンガラカワハギみたいなお魚がいるね、どれかわかる?」と探し物ゲームらしき事をしてみると、息子もそれなりに楽しんでおりました。
これが後々探し物系の絵本を読み漁るきっかけになった様にも思いますが、情報が込み合う中で目当ての物を探す遊びが好きな様子がわかりました。
そして更にこの遊びで息子に関して良く分かった事がもう一つありました。
息子は・・・シール貼りがとんでもなく苦手だったのです(笑)
今でも思い出すと笑えてくるのですが、貼ろうとすると手先がプルプル震えてしまっていました(^^;)
それに見るポイントがどこかわからなかったのか、目線は自分の指先をとらえていませんでした。
『あー、、、そうか、、、この不器用さが色々な発達を阻害する一因なんだろうなぁ。』と薄っすらと理解したものでした。
~不器用さを何とかしないと・・・~
息子にとってシール貼りは不器用さと苦手な感覚(シールのベタベタ感)の2つの困難が伴う物でしたが、ベタベタは糊や砂に比べてまだ我慢出来る感覚らしく何とかこの場は頑張ってくれました。(結局幼稚園でかなりシール貼りをさせていただいたおかげで今では本人も楽しくシールを貼れる様になっています。)
しかし。。。
不器用さは何もシール貼りだけではなかったのです。
このカード遊びの取り組みの少し前、ちょうど2歳3ヶ月の頃にプレの先生方が熱心にご指導下さったおかげでようやくスプーンの自立が出来たのでしたが、それも今から思えばこの不器用さ故の遅れだったと思います。
私が努力して自立させる事が出来なかった事がショックだった事や、プレの先生方にお手間をとらせて申し訳ない気持ちが日に日に大きくなり、『よし、この際だから息子の不器用に正面から向き合おう』と心に決めたのでした。
そんな思いから改めて息子の不器用さを観察すると、ある2点に気付きました。
(1)手先の動きそのものに弱さがある
(2)目線の動きに弱さがある
こうした事から今後は、
『手先の微細運動や動かし方そのものの訓練』
&
『手と目の連動を意識した遊び』(→手と目の協調運動と言われる事が多いかと思います)
これらを意識して取り入れていこうと思いました。
※目の動きは、以前の記事(感覚過敏・鈍麻への試み 目・視覚 分析編)で書きました通り、対象物の輪郭を先に見てしまう事が大きく関連している様に思われました。ですのでこの後不器用さやコミュニケーション力の改善の為に輪郭→対象物の中央を見られる様に促していきたいな・・・と思う様になりました。
カードを用いた遊びについてのご紹介は以上です。次回はカードがない場合などに手書きのイラストを用いて遊んだ事などを記録させて下さい。
*1:息子がごくごく幼い頃、一番最初に大好きになった物が”乗り物”でした。
ですのでこうした情報を与えるとあっという間に丸暗記してしまう驚異の記憶力に驚かされたものでした。
それがいつしか
乗り物
↓
文字、数字
↓
魚
↓
天体
↓
恐竜
↓
動物
と徐々に生物の方へと興味が移ろいでいく様子を傍で見ているのもなかなか楽しいもので、子どもと一緒にいろんな事が学べて毎日刺激をもらっています。
ちなみにこの春以降に息子が興味を持ったのは何故か猿人や人類の進化の様子でした(笑)
中でも一番のお気に入りはアファール猿人だとかアウストラロピテクス・アファレンシスだそうです(^^;)